「もし1度だけ目が見えたら…」 盲目ピアニストの願いとは

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   <テレビウォッチ>全盲のピアニスト、辻井伸行さん(20)が世界屈指のコンクール、バン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した。

泣けてしょうがない

   このコンクールでの優勝がどれほど大変なことか、指揮者の佐渡裕は「今まで40年間、日本人が決勝に残ったことがなかった。非常に広い意味でピアニストとしての評価をされるコンクール」だという。

   そこでの優勝について佐渡は「1人の尊敬できる音楽家として、本当にうれしい」と。

   その伸行さんが帰国直前のインタビューで、「金メダル誰に見せたい?」に「留守番をしている父に見せたいと思っている」と語った。

   産婦人科医をしている父(52)は、優勝したことに「ご苦労さんと言ってあげたい」と。

   その父が、今も忘れられないという高校時代の発言を思い出し、目を潤ませながらその一言を……

   「『目が見えなくてもいいんだけど、1度だけ目が見えたら、母の顔を見たい』。かわいそうに思いましたね」。

   キャスターの小倉も次のように……

   「演奏家っていうのはさまざまな情景を思い浮かべながら演奏する筈なんです。生まれながら目が見えないわけですから、どんな情景が見えているのか……と考えながら、昨日(6月8日)はDVDを見ながら泣けてしょうがなかった」

   そんな「神技」のピアニストの生演奏は、日本では6月に岩手と愛知の両県、7月には東京で公演が予定されている。

   しかし、今回の優勝のご褒美として賞金2万ドルの他に、今後3年間米国はじめ欧州、アジアでコンサートツアーが予定されており、日本国内で生演奏を聴くのが難しくなりそうだ。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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