日本人盲目ピアニストが優勝 「ジングルベル」初めて弾いた歳

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   <テレビウォッチ>「バン・クライバーン・コンクール」で、日本人初の優勝という快挙を成し遂げた全盲のピアニスト、辻井伸行さん(20)の半生をふりかえった。

早く回転しても聞きとれる

   産婦人科医の父とフリーアナウンサーだった母の間に誕生した伸行さんは、何らかの原因で眼球が成長しない「小眼球」という障害のため「生まれたときから目が全く見えなかった」(ナレーション)。が、生後2か月半のとき、ピアノのチェックに来た調律師が鍵盤をたたく度に「あー」とか「うー」と口にする。調律師は「私の弾く音と同じ音域の音を出しますね。音楽をやらせるといいかもしれません」と言ったという。また2才のクリスマスごろ、母が口ずさむ「ジングルベル」を聞いて、初めのフレーズをおもちゃのピアノで弾いたと伝えられる。

   小学1年から高校までの伸行さんを指導した東京音楽大学の川上昌裕講師は「楽譜を本人は読むことができないので、私がテープに録音するのを聴いて、音が多い難しい曲は遅く弾いたり、片方ずつ弾いたりして覚えて行った」と語る。

   若一光司は「演奏しているのを見ると自分の演奏と一体化している、すごい集中力と気迫が伝わってくる」とコメント。

   大澤孝征が「知り合いに全盲の弁護士がいますけど、録音を早く回転しても聞きとれるそうです。ない部分を補完するのでしょう」と言うと、鳥越俊太郎は「音を聴きわける耳が運動神経につながっているのだろう」と述べた。

   コンクールの決勝で伸行さんはラフマニノフの協奏曲2番などを演奏した。赤江珠緒によると、バン・クライバーンは「奇跡というしかない。まさに神業」と絶賛したそうだ。

   優勝賞金200万円、そしてCD制作やコンサート開催の機会が与えられるらしい。本人はもちろん、ご両親の喜びはいかばかりかと思う。

文   アレマ| 似顔絵 池田マコト
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