秋葉原ホコテン復活は危険なのか 無差別殺傷事件と社会不安

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   <テレビウォッチ>早いものだ。あの衝撃から1年が経った。死者7人重軽傷10人を出した秋葉原の無差別殺傷事件。犯人の加藤智大(26)は、3か月に及ぶ鑑定の結果、 昨2008年10月に責任能力ありとされ、間もなく公判前整理手続きが始まる。


   大学生だった息子を殺された父親はいまも、「肉親を亡くすということがこんなにも苦しいことか。毎晩遺影に手を合わすたびに、守ってやることができなくて済まなかった」と悲しみの中にある。

   「誰でもよかった」という加藤の言葉はその後、各地で起こった同種の事件でも繰り返し聞かれた。

   「誰でもいいから殺したかった、は本当は、誰でもいいから愛してほしかった、振り向いてほしいということ。だれもが少しづつ持っている問題」と新潟青陵大学の碓井真史教授(社会心理学)はいう。

   調べに対しても「自分を無視したネットの人たちへの復讐だった」と供述しているという。カウンセラーの中尾英司は、「結局ネットでもオレは嫌われ者だと自分を追い込んでいった」という。

   ネットの書き込みに誰も答えてくれないから、といって殺されてはたまったものではない。犯行に走る、走らないはどこで分かれるのか。

   中尾は「小さいころ、あるいはどこかで『受け止められ』体験があるかないかです」という。「根本は家庭だ。子どもは親の鏡。だから子ども自体に問題があるのではなくて、この家族のどこかがおかしいよと、子どもが示している」

   予備軍はまだまだいるだろう。アキバはこれにおびえて、ホコテンの再開もできずにいる。

   みのもんたは、「誰でもよかった? ネットに殺害予告したのをなんで止めてくれなかった? あまりにもひとりよがりだよね」

   末吉竹二郎は、「防ぎようがない。絶えず周りの人は自分を殺す人だと……そんな生活できませんよ。ひと世代二世代と時間はかかっても、互いが必要としているんだとわかる社会を取り戻さないといけない」

   正論だ。その変化はひと世代、二世代を経てしまっている。取り戻すにはさらに長い時間がかかるだろう。いや、取り戻せないかもしれない。これがやりきれない。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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