朝4時10分。私の好きな番組が始まる時間だ。
次第に夜が明け、街に新しい1日がやってくるころ、仕事を終えてベッドにもぐりこむ。ぼんやりした頭でゴロゴロしながらテレビを見る、最高の時間だ。
早朝に私が楽しみにしているのが、各国のニュースを紹介する番組。4時台はアジア圏、5時台は欧米諸国のトップニュースを順に各々10分~15分程度放送していく。
国によって扱うトップニュースの違いも楽しみなのだが、何よりも1番興味を持つのは、女性キャスターのメイク、ファッションの観察。
巨体お天気おねえさんも
太くアイラインを引き、チークもハッキリ、真っ赤に口紅を塗りたくっているのがアメリカ。大袈裟に表情を作り、眉毛を上げ下げしながらニュースを伝えてくれる。何人かリポーターも出てくるのだが、彼女たちはみなメイクが濃い。中には、おてもやんですか? とつっこみたくなるほどチークを塗りたくる人も。
そして、どんなに太っているヒトでも雇います! と企業PRを兼ねたように、大きく出たお腹をゆすりながら巨体お天気おねえさんが天気を伝えている。
その点、イギリスのニュース番組は控えめ。リポーターの服装をベージュと赤で統一するなどチャンネルカラーを印象的に演出しつつ、メイクは質素。フルにメイキャップ用品を使っていても、あくまでもナチュラルメイクだ。
その間ともいえるのが、ドイツやスペイン。メインキャスターたちの服装は地味目だが、女性になるとアメリカよろしくバリバリのメイク。赤く光り輝く唇をせわしなく動かしながら、ニュースを伝えている。
そしてすごいのがロシア。スーパーモデルか? というようなとんでもない美人キャスターが登場する。そんなクールビューティーが、毎度プーチンや政府を礼賛する言葉を伝えている。
では、アジアではどうか? まず、アメリカのニュースキャスターを手本にしているのであろうと思われるのが、中国上海のテレビ局とシンガポール。彼女たちのメイクボックスには、使いこんだ赤い口紅とチークばかりが入っているに違いない。その点、ベトナムのニュースキャスターは、都市部では誰も着ないようなアオザイを未だに着て、素朴なメイクでカメラに微笑みかける。
そして早朝寝ぼけた頭のせいかと思わず乗り出してみたのが、フィリピン。田舎の校長先生と教頭先生か? というようなオッサンとオバハンがぶっきらぼうにニュースを読んでいる。彼らのぶっきらぼうに読むニュースのおかげで、素材の編集まで荒いように思えてくるから不思議だ。
そして、チャンネルを変えると、まぶしいほどのガンガンの照明の中、カワイイ系の25歳前後のお姉ちゃんたちが神妙な顔つきでニュースを読んでいる。
この国の1日は、アップに映し出された若い女性キャスターたちから始まる。タレント性の強い若手女性キャスターを使うのは、日本独特のカワイイ文化の象徴だろうか?
カワイイお姉ちゃんを見て、再び頭がボンヤリグッタリとしてきたころ、私の1日が終わる。
モジョっこ