<テレビウォッチ>きのう(6月4日)17年半ぶりに釈放された菅家利和さん(62)をスタジオに招いた。長い間の拘置所生活のためか年齢よりも老けて見える。1990年栃木・足利市で起きた4才女児殺害事件の経過、容疑者として扱われた菅家さんの裁判の推移などがVTRで流される。取り調べの模様、拘置中の気持ちなどを、菅家さんは訥々と話す。
赤江珠緒が、自白強要はどんな感じだったか、と尋ねると、菅家さんは「髪の毛を引っ張られたり、蹴飛ばされたりして『お前がやった』と何回も言われた。調べも夜まで続き、ダメだ、もういいやと思って、自分がやったと言っちゃった」と述べる。
自白とともに裁判所が重視したのが事件当時、導入されて間もないDNA鑑定だった。警察も最先端の科学技術に自信を持っていた。
公判で否認に転じた菅家さん側はDNAの再鑑定を求める。劇的な進歩を遂げ精度が高まったDNA鑑定によって無実が明らかになると思ったからである。
赤江が「逮捕の決め手になったのもDNAなら、釈放の決め手になったのもDNAでした」と言う。弁護側は再鑑定、再審を求め続けるが、検察、裁判所とも受け入れようとしない。ようやく検察が再鑑定に動き、DNA不一致の判定が出され、菅家さんが釈放されるまで、さらに10年以上の歳月がかかった。
菅家さんは「絶対に許さない。間違ったではすまない」と捜査陣への怒りをぶつける。
しかし、警察、検察、裁判所から謝罪のことばはないようだ。菅家さんには、国から7000万円くらいの補償金が支払われることになるらしいが、奪われた人生が取り戻せるものではない。