<テレビウォッチ>村上春樹の5年ぶりの新作『1Q84』が、発売4日にして品切れ状態という。
キャスターの小倉が「この本を見たとき、『IQ84』、 なんとIQの低いヤツなんだと思ったんですが、私が低かった」というほど、どういう内容の小説か、あらすじすらまったく伝わっていなかった。
小倉が「誰か読んだ人いる?」に、皆キョロキョロ。取り上げたリポーターの大村正樹すら、村上にハマっていると言いながら「品切れで入手したのは昨日(6月2日)。ですからまだ読んでいません」と。
それが5月29日発売され、わずか4日で77万部が売れ品切れ状態、4回目の増刷に入っているという。
あらすじも分からないのに、なぜ品切れになるほどの勢いで売れるのか?!
出版元の新潮社によると「読者から『村上春樹の新刊であれば、事前の予備知識なしで、まっさらな状態で読みたい』という要望に答えた」のだという。
本の内容は一切公開せず、広告に使った「あらすじ」も「2009年、『1Q84』は逆の方向から1984年を描いた近過去小説である」とだけ。担当者もごく数人しか読むことができないほど徹底されたらしい。
取材した大村によると、この「逆宣伝」効果とノーベル文学賞候補といわれる村上の世界的な知名度、5年ぶりの新作という村上作品に対する読者の渇望感が相まって、爆発的に売れているようだと分析している。
低迷が続く出版界。これを契機に活気を取り戻せればいいのだが……
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト