<テレビウォッチ>巷では総選挙近しの声が聞かれるが、この番組でも、太田光総理(爆笑問題)直々の選挙関連マニフェストが2週立て続けにお目見えした。「(年内の解散)総選挙はしません」と大胆に宣言した先週から、今回はだいぶん実際的に「選挙カーや選挙ポスターを禁止します 」とソーリは訴えた。
大きな国会のリアル総理は、選挙を意識してのことか、小学校で給食を食べたり、下々との交流を励行したりしているというが、この番組のソーリも今回はやや庶民感情にすりより、視聴者受けに走ったのだろうか。事実、小さな国会で可決されたこのマニフェストは、一般視聴者の賛成も89%に達し、近頃では図抜けて高支持率である。
さて、選挙活動の一部には公費が使われており、前回の衆議院選挙では総額84億1165万2000円がつぎこまれたという。額が大きいのは新聞広告約50億円、政見放送14億円といったところで、選挙カーには4億円、ポスターには約12億円が使われた。
なかでも、とくに評判がよろしくないのは名前を連呼するばかりの選挙カー。選挙活動についての有権者アンケートでも、選挙カーを「意味がある」と見る人は、項目中最下位で数%。「昔からやってるから、一応やっとこうみたいな部分があるはず。なにか別の方法があると思う」とお笑い芸人の千原せいじ(千原兄弟)。
この選挙カーについて、マニフェスト反対派の政治家軍団の言い分を聞いてみよう。「病院や学校の近くでは音を小さくしている。(普通の住宅街などでは)本当に申し訳ないけど、やっぱり(選挙)運動だから」と自民党の大村秀章。
「選挙カーで走ってると、有権者が家から出てきて交流できる」と自民党の山本一太。「(いろんな手段を使って)1人でも2人でも自分の考えを聞いてもらいたい。それが選挙なんです」(タレントで選挙出馬経験のあるガッツ石松)。
「4年に1度だから我慢して」(下地幹郎・国民新党)というのもあり、総じて選挙は「お祭り」、ちょっとうるさくても、迷惑でも多少はしょーがないといった論調。これに対してソーリは「それは押し売りだ」と眉を顰める。「お祭りだから、俺たち楽しんでんだよ、って言っちゃうのが、思考停止。楽しくないお祭りほど迷惑なものはねえじゃねえか!」
それでも「(選挙は)お祭りアンド日本の文化なんですよ」と食い下がるガッツに、「だからァ、ガッツさんはそれで落選したんだよ」と厳しくダメだしするソーリであった。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)