<テレビウォッチ>「あるところにはあるものです」と小木逸平。いまや日本のタンス預金の額が30兆円。「非取引需要の1万円札」が、1995年には1兆円だったものが2007年時点でこの金額になったのだそうだ。
理由はむろん金融機関の破綻が怖いため。経済ジャーナリストの荻原博子は、「金庫、庭に埋める、畳の下……手元に置いておいた方が安心だと。しかし、犯罪に巻き込まれたら命が危ない」
1月には佐賀・伊万里で庭に埋めてあった3億6000万円が盗まれた。今(5)月も甲府で7000万円、郡山で1000万円……荻原は、銀行が破綻しても現金がなくならない手があると、「郵便振替口座」「決済用普通預金」をあげた。利子はつかないが、破綻しても全額保護される。タンス預金よりは安全だと。
鳥越俊太郎が、「犯罪者がみんなこれ(タンス預金)を狙ってるんですよ」
若一光司は、「亡くなった父がそうだったが、認知症になって、隠した場所を忘れてしまったりね。父が亡くなってから、相当見つけましたけどね」(笑い)
「よく、ゴミの中から出てくるのは、それですよ」(鳥越)
大沢孝征は、「2000年までは、脱税の手段だった。いまは様相が変わった」と、さすが弁護士。
そこで、お金にまつわるお話2題。
振り込め詐欺グループの上前をはねていた埼玉・蕨市の男(66)が5月24日警視庁に逮捕された。手口は、詐欺グループに自分の預金通帳を渡したあとで、銀行に紛失届けを出し再発行。これで詐欺グループは引き出せなくなる。そこで、被害者から振り込まれた金100万円のうち30万円を手に入れたのだと。1年半前の事件だが、詐欺グループはまだ捕まっていない。
大沢は「銀行に対する詐欺ですね。詐欺師の上前をはねた」。しかし、詐欺師に対しては、どうなるんだろう?
もう1つは、板橋で資産家宅の火災で夫婦が遺体で見つかった事件。遺体に鈍器でなぐられた跡や刺し傷があった。川越街道沿いの江戸時代から続く旧家で、近隣では資産家で知られていたことから、物取りの可能性があり、警察は殺人・放火容疑で捜査中だという。
鳥越が、「タンス預金と関係があると思いますよ。昔は盗人は人を殺さなかったが、最近は荒っぽくなって殺しますからね」
新聞によると、夫婦はあまり金融機関を利用せず、現金を手元に置いていたらしい。まさにタンス預金。
お金がないのは安全ということか。わが家には、振り込め詐欺の電話すらかかってこない。