国谷裕子と一問一答 新型インフル問題のツボ

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   週末を挟み、阪神地区で感染が急拡大した新型インフルエンザ。今回のクローズアップ現代は、予定していた内容を急遽、変更して、この問題への対応に迫った。

   番組は、感染の広がりに困惑する自治体、対策を練る医療機関、自衛を考える透析患者や妊婦など、それぞれの闘いを追いながら、国谷裕子キャスターが、スタジオゲストの尾身茂・自治医科大学教授(政府専門家諮問委員会委員長)に要点を尋ねる構成にした。充実していた両者の一問一答は以下のとおり。

「ルール守られにくい状況に…」

   国谷 新型インフルエンザをどう捉えればいいのか。

   尾身 いろんな面で季節性インフルエンザと似ているが、一点、重要な違いがある。季節性の場合は主にお年寄りが亡くなる。新型インフルエンザは、基礎疾患を持つ人を中心に、若い人も含めて一部、重篤化して亡くなる例もある。

   国谷 妊婦がタミフルを服用しても大丈夫か。

   尾身 今のところのコンセンサスは、妊婦が感染したらすぐタミフルを飲んだ方がいいとしている。その考えに私も賛成だ。

   国谷 透析患者、妊婦以外に重症化しやすいリスクをもつ人は?

   尾身 糖尿病、ぜんそく、がんを持っている患者さんも免疫力が低下している。3才以下の小児も注意する必要がある。

   国谷 学校の休校はどこまで行えばいいのか。

   尾身 感染症対策の今までの歴史、経験をもとにすると、小中高などの学校閉鎖が、さらなる感染拡大を防ぐのに有効だとわかっている。学校は1週間くらい休んでも社会的、経済的影響が少ない。できるかぎり広く、早くやることが大事だ。

   国谷 企業は?

   尾身 感染症対策という観点だけでいえば休んだ方がいいが、社会的、経済的影響が甚大。制限は最小にして、時差通勤とか、病気の人は会社に来ないとか、常識の範囲でいい。

   国谷 発熱相談センターに連絡せずにいきなり医療機関に行くなど、ルールが守られにくい状況になっている。どうすればいいか。

   尾身 原則をみんなで理解することが大事。原則とは、感染者と、糖尿病、高血圧などの一般患者が絶対に交わらないようにすること。たとえば、地域のかかりつけ医たちが相談して、ある医師が、午前中はインフルエンザの発熱患者を診る、午後に一般患者を診る、隣の医師は逆のパターンにするとか、地域でルールをつくることが大切。

   最後にと言って、教授は「この戦いに勝つためには、国、地方自治体、医療関係者、市民一般が少し我慢してそれぞれの責任を果たすことが大事」と述べた。国谷が「一般市民なら感染予防をきっちりやることですね」と言うと、教授は「そう思います」と結んだ。

   事態の急変で予定を変えたためか、めずらしく国谷がオープニングで何回か噛んだが、中身はそれなりに整理されていた。

アレマ

* NHKクローズアップ現代(2009年5月18日放送)

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