2009年度補正予算が衆議院を通過し、いつあってもおかしくない解散・総選挙を控え、代表交代という厳しい局面に立たされた民主党。
番組は、「小沢代表の後継ぎを決める16日の代表選挙を反転攻勢のチャンスに変えられるのか」という視点で取り上げた。
寄り合い所帯の結束
違法献金問題を巡り小沢代表の辞任を求める意見が強まっていたにもかかわらず、「なぜ党内で辞任を求める声は大きくならなかったのか」(国谷キャスター)との疑問から。
NHKの政治部野党キャップ、藤田一宏が次のように答えた。
「小沢氏の実績と存在感が指摘できる。07年の参院選で逆転を果たした選挙手腕に党全体が頼ってきたし、寄り合い所帯と言われた民主党が結束を保ってこれたのは、小沢代表の存在が大きい」
民主党には、かつての自由党系、社会党系、さきがけ系など9つのグループの寄り合い所帯。それをまとめたのが06年党首になった小沢代表だった。また、07年の参院選ではそれまで弱かった地方の農村部をまわって支持を拡大し政権交代への足掛かりを築いた。
結局、その実績が選挙に強い小沢代表への依存となり、党内で辞任の声が広がらなかった背景にあると番組は指摘する。
もっとも、師匠である田中角栄時代以来、カネにまつわるスキャンダルで辞任していった自民党議員を見てきた小沢代表が、いつまでもポストに固執できると思っていたかどうかは疑問。
小沢代表は口の重い東北人の典型、辞めるタイミングをはかるために表に出さなかったのかも……。
国谷キャスターは「結果的に、(辞任の)背中を押したのは何でしょう?」と。
これに藤田は「09年度補正が通過し、いつ解散があってもおかしくない時期。代表を交代して選挙に向けた態勢を整えるには一定の時間が必要で、辞めるとすれば、GW連休明けのこの時期以外にないと判断したのだと思う」と。