<テレビウォッチ> 突然の辞任会見だった。きのう(5月11日)17時。「政権交代の実現のため」「挙党一致を強固にするため」と辞任理由を述べ、さらに「党内が乱れていては選挙に勝てない」と。小沢民主党代表は終始おだやかな表情だったが、一度だけ気色ばんだ。
「離党、議員辞職」を問われたときだ。「なぜ辞職しなければならないんですか。やましいことはない。政治的な責任があるとは思っていない」と。これがおそらく、事態がここまで長引いた理由だろう。
だが、世間の視点はそこではなかった。長年にわたってなぜ巨額の政治献金が寄せられたのか、古い自民党そのものではないか、その疑問に答えていないからだ。東国原宮崎県知事も「説明責任ですよね」といっていた。
にしても、なぜいまなのか。三反園訓は、「(明日に予定されていた)党首討論でしょう」という。確かに討論をやってしまったら、おかしなことになる。麻生首相にやり込められでもしたら最悪だ。
鳩山幹事長には、すでに3日に辞任の意向を伝えていたという。鳩山幹事長は慰留したというが、黙っていた。が、連休のあいだに党内からの辞任を求める声は一段と高くなっていた。
菅代表代行や渡部最高顧問ら「辞任派」がこの日、辞任会見の知らせを受けたのは国会の審議中だった。そのときのそれぞれの笑顔が写っていた。
赤江珠緒が「自民党は、(党首討論を前の)敵前逃亡だといってます」
小沢側近だった平野貞夫・元参院議員は、「最終的に決断されたのは、10日夜だと思う。自民は何とでもいいますよ」
作家の大下英治は、「事件のあと、上がらないとみていた麻生支持率があがって、民主の支持率が下がってますます悪くなってきたということでしょう」
三反園はさらに、「6月になると、西松建設の裁判も始まる」という。
若一光司は、「なんであんな巨額の献金を受けたのかの説明が不十分だった」
平野は、「あの人は、これではいかんと自民党を飛び出したが、過去がずっとついてまわる。10年間で3億というのは、負の遺産を断ち切る過程のやむを得ないものだったと思う」(笑い)
「国民がそう思ってるかどうか」と三反園。
大下は、「本当に政権交代しようと思ったら、やっぱり相手に手を突っ込んでやる必要がある。ウラでお金が必要になる」
赤江が「小沢さんが残っていたら、政権交代は難しいのか」
鳥越俊太郎は、「そこはわからないが、今日の日はある程度予想していた。ひょっとすると負けるかもしれないと思ったのでは」という。
大沢孝征は、「6月に西松事件の公判が始まると、これは爆弾で何が出るか分からない。選挙直前ではね」
三反園は、「ここまで長引いたひとつは、後任の問題。きのうの会見で挙党一致を繰り返したのも、誰になっても一致だよという意味だった」
その後継選びはこれから。いろいろな名前はあがるが、ここでもたつくと、来るものも来なくなる。もう1つの正念場だろう。