<テレビウォッチ> GW明けの国会。麻生首相が「過去最大規模」にこだわった14兆7000億円にのぼる2009年度補正予算案の本格審議が始まった。
このうち10兆8190億円の財源は借金だ。番組は、きちっと中身を吟味しないと、そのツケはやがて国民にというわけで、詳しく取り上げた。
5月7日開かれた衆院予算委員会。この過去最大規模の補正額について、民主党の菅直人代表代行が麻生首相に問いただした。
「目先に追われて、先行きを見通した対策の遅れが今回の大型補正予算につながっている。中身をみるとワイズ・スペンディングつまり賢い支出とはいえない」
疑問を投げかけられた首相は「ワイズでなくてアホだと、アホでなくてバカだと言っておられたのかな~。私はそうは思っておりません」と。
ワイズなのかアホなのかはともかく、菅代表代行が「バラマキになりかねない」と問題視したのが4兆7600億円の予算が盛り込まれた46基金。
この基金は、1年で使い切る予算に対し、いったんプールしておいて複数年度で使うことが可能。今回の補正予算案では、既存の16の基金に新たに30もの基金をつくった。
前宮城県知事の浅野史郎が「借金してやるんですから、100年に1度の危機というならそういうところがにじみ出てくる予算でないといけない」と、まず注文をつけた。
で、スタジオのボードに表示した46基金の中身を見ていた浅野が見つけたのが『花粉の少ない森林づくり資金』。
「これが100年に1度の危機に対応する内容ですかね? こんなの普通の予算でやること。100年に1度の危機とは、どうもピンとこないですがね……」と。
司会のみのもこれに呼応して「借金でやるとしたらもっと真剣に考えてもらわないとね」と憮然。
さらに話題は、3兆円の予算が盛り込まれた『施設整備費』に及んだ。4省庁から86の施設いわゆる箱モノをつくる計画が出ている。
その中で「脚光」を浴びている箱モノが『国立メディア芸術総合センター(仮称)』。みのが「我々は『マンガ喫茶』と呼んでいるんですがね」と。
この施設は文化庁が計画しているもので、117億円の巨費を投じ、アニメやマンガ、映画、ゲームなどの資料を展示し、情報発信の拠点にしようという狙い。漫画好きの麻生首相の肝いり(?)とか。
これも100年に1度の危機対策に結びつくとは、どう考えても思えない。民主党の鳩山幹事長も国会で「117億円を投じて巨大国営マンガ喫茶をつくる気か」と批判した。
スタジオに生出演した毎日新聞特別編集委員の岸井成格が「GDP(国内総生産)2%の財政出動しろということで、あらゆる政策を集めた。サミットボケにあとは選挙用バラマキの部分が多い」と斬って捨てた。