社員年収の30倍もらう役員
今週の週刊誌は、挙って麻生首相の度を超したはしゃぎぶりに批判の目を向けている。ポストは、15兆円のバラマキ景気対策批判を、自民党を離党した渡辺喜美氏にさせている。長期戦略なき景気対策には副作用が大きいとし、赤字国債を大増発したから長期金利が上昇を始め、景気にブレーキが掛かる。日銀の金融緩和も十分ではないから円高に向かい、銀行の貸し渋りも始まるというのだ。
定額給付金や高速代1000円などに惑わされていると、必ずそのツケを払わされることになる。そのことを忘れてはいけない。
新潮は、小沢代表が辞任しないために、落ち続ける民主党の支持率に、「もはや『政権交代はない』という『永田町の常識』は本当か」と問うている。文春も、「小沢民主なぜ闘わない」の中で、「今の民主党は脳死状態だ」と批判している。
トップに立つ人間の決断力のなさが、確定的だと思われていた「政権交代」を危うくしている。現代はそうした風向きの変わったことを受けて、「激変300選挙区 最新当落予想」を特集している。3人の政治ジャーナリストに予測してもらっているが、1人のジャーナリストは、自民党222、民主党197と、逆転すると読んでいる。
この上、絶対確実と思われている名古屋市長選挙で、河村たかし氏が敗れることにでもなれば、小沢が辞任しても、下落する支持率に歯止めはかからないのではないか。
今週のお奨め記事は、新潮「『痴漢逮捕』防衛医大教授が『逆転無罪』になるまでの1000日」。痴漢事件は、被害者の証言だけで、ほとんどが有罪にされてしまう。「しなかった」ことを証明することがどれほど難しいことなのかを教えてくれる。最後に、63になる教授が、「愚にもつかないことで生涯をかけてきたことの集大成ができなくなってしまった。それが一番悔しい」と語る。
朝日の「トップの報酬vs.社員の給料」が必読。日産自動車とソニーの2社は、役員の年収が社員の30倍を超えているのだそうだ。これを見て、怒りに震えないサラリーマンはいないのではないか。立て!日本の労働者。
もう1本は文春。ミシュランが京都・大阪版を発売すると発表したことに、京都の老舗料亭の店主が、「京都のことは放っといたれ」と怒っている。「ミシュランもくそもないと思うわ。(中略)京都の店は各店の個性ちゅうもんがぎょうさんあるから放っといたれ。みんな流れ星でええんや」。この覚悟、ええですな。