<テレビウォッチ> 東京・八王子市内の住宅地の真ん中にある山林が、ときならぬ騒動になっている。戦争おたくの大人たちの戦争ごっこ、「サバイバルゲーム」の舞台になるというので、住民が猛反対。目下は「凍結状態」となってはいるのだが……。
「サバイバルゲーム」は、敵味方に別れて模擬弾を撃ち合い、互いに相手側の旗を奪い合うという、大人の戦争ごっこだ。迷彩服や軍服まがいを着込んで、本物そっくりの空気銃を使うなど、相当なマニアの世界。
ある男性が同市中山の山林約6000坪を借りて、専用ゲーム場を作ろうとした。ところが現地は、住宅に囲まれている上に、近くに幼稚園、保育園、小中学校がある文教地区。住民の憩いの広場や神社、「トトロの道」と呼ばれる散歩道もある静かなところ。
計画を知った住民や地区の青少年委員会が心配するのは、「戦争ごっこ」が子どもたちに与える影響だ。先頃、業者を呼んで安全などの問題点をただしたが、「なんでこんな所に作るんだ」という問いには、とうとう答えられなかった。
住民はこれまでに1万を超える反対の署名を集めて八王子市に提出したが、市は「業者にも自由はある。話し合いでなんとか解決してほしい」というばかりだ。
番組では、ゲームの実際の映像が流れたが、まあ、みる限りは「ごっこ」というより「戦争」そのもの。「兵器・軍服マニア」はどこの国にもいるものだが、いい歳した大人が喜々として楽しんでいるのが、なんとも異様。
赤江珠緒は、「子どもを育てている方たちが反発するのは当然のような」
鳥越俊太郎は、「戦争は恐ろしいもの。ボクは嫌いです。ゲームをやるんなら場所を選んでほしい」と当たり前のことをいう。
レポートした井口成人によると、専用ゲーム場は全国に30か所あるといわれるが、大方人里離れた山林・原野で、千葉県に多いという。東京にはない。
若一光司は「これを今回認めてしまうと、文教地区でもできることになる。私は住民の側に立つ」「強硬な業者ならもう作っちゃってるかも知れない。その意味では良心的なんでしょう。その思いやりを拡げてほしい」
大沢孝征は「住民の承認がないと好ましくないという行政指導にはなるでしょうが、法律にふれなければ何でもいいというわけじゃない」
赤江は、「現実の社会が底にあるんですからね」
井口は、「許認可権は都にある。自然保護の条例さえ守ればいい。都は『まだ申請はないが、書類が整えば、許可を出さざるをえない』といっている」という。
戦争ごっこは戦争時代の男の子の遊びだった。戦争を知らない世代には、ゲームでしかないのだろうか。