<テレビウォッチ> 東京・渋谷区の桑原敏武区長ら6人が、選挙カーのガソリン代を水増し請求したとして、詐欺容疑で書類送検された。水増し請求も驚きだが、その前に、「選挙のガソリン代を公費で?」というのが驚き。
「不正を働いていた」と追及する記者に、桑原区長は「不正じゃない。間違えたんだ」と言い張る。要するに、制度では区が負担するのは1台だけなのに、何台もの車の分が支払われていたというのだが、「誤解です。だます気はなかった。手続きの問題ですよ」
ことは2007年4月の区長・区議選。渋谷区では、選挙に使う車1台の燃料費を、上限5万1450円まで区が負担することになっている。候補者が特定のガソリンスタンドと契約をして、選挙期間中に使った燃料代のトータルの請求書(候補者が押印)が、スタンドから区に送られ、区が支払う仕組み。
ところが、渋谷オンブズマンが調べたところ、桑原区長と区議ら計6人(1人は落選)が、車のタンク容量を上回る燃料を給油していた。42リットルなのに53リットルといった具合。
赤江珠緒が「1度走ってまた給油したとか?」といったが、レポートの坂井一郎は、「53リットルあったら石川県までいけます」。つまり複数の車の燃料代を区に請求していた、というわけである。
区長もこれは認めていて、「桑原の選挙カーがくればみな入れちゃう。それが明細なしで1本の請求でくるもんだから」と、ガソリンスタンドがいけないといわんばかり。「公費に対する姿勢の問題じゃありませんか?」には、「全然関係ありません」とらちがあかない。
松尾貴史が、「1台だけと決めればいいこと」といったが、議員の中には、「はじめから白紙の請求書に印を押していたので」なんてのもあったという。
鳥越俊太郎は「それより、なんで候補者の車に公費が出るの? 自腹きればいいじゃないですか。その方が問題」
松尾は「渋谷区なら、歩いても自転車でもいいんじゃないの」
赤江は「その上限5万いくらというのが適当でないですね」
6人の請求額は、複数の車を使ったのにいずれも上限に達していなかった。
小木逸平が、「1台だったらいくらくらい?」
「1万円ちょっとですね」だと。
吉永みち子は、「額は少ないけど、お金の使い方に繊細さが欠けている。区の金にルーズな人たちという印象」
すでに全員が全額または一部を返済しているそうだが、区長の反応を見る限り、「謙虚じゃないですね」(松尾)