レクサスばんばん走るベトナムで なぜか見つけた「昭和」の香り

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スナック雰囲気満載

   熱唱のカラオケはベトナミーズポップスのオールディーズ。どこか古賀メロディー的な哀愁が漂う演歌調な曲ばかり。そのベトナム的演歌に合わせて、素人ダンサーがタンゴらしきものを踊る。こちらはコンチネンタルタンゴのなれの果てといった感じか? とてもタンゴとは思えないほどのスローテンポかつのんびりしたダンスを次々に素人が披露していく。

   素人カラオケで、歌いだしを間違えたってお構いなし! メロディーラインを大きく超える独創的な歌唱でも一切お構いなし。ただひたすらカラオケのビートでステップを決めている。きっと、みうらじゅんさんがご覧になったら、大喜びするんじゃないだろうか? 決してカッコイイとは言えないショーが繰り広げられているのだ。

   日本のオッサン・オバハンたちがスナックで癒しを求めるのに対し、ベトナムのオッサン・オバハンたちも、やはりスナック雰囲気満載のカフェに癒しを求めていた! ちなみに、連れてきてくれた彼〈51歳のオッサン〉もラブソングを熱唱。ベトナムでは店内に置かれたバラの造花にチップを挟んで、ステージ上のカラオケ人に差し出すシステムがある。上手な人になると、造花のバラが次々と渡されるのだ。オッサンたちの熱唱を聞きながら、ボンヤリとバラの造花を見ていると、松坂慶子の「愛の水中花」が頭の中で回ってくる。

   ベトナムには鎖国前の江戸時代に日本人が訪れたホイアンという土地があるが、ここにも日本との接点、共通点があったなんて!!

   世界はたくさん、人類みな他人。

   ただし、好きなものはみんな好きなんだよね~。

   それぞれが違う人類でも、共通点は数限りなくあるんだなと、蒸し返すホーチミンで思った夜だった。

モジョっこ

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