初期投資がかかる
一方、地熱資源国・世界第2位のインドネシアでは、経済発展で急増するエネルギー需要に対処するため、地熱発電所の建設に取り組んできた。現在23万キロワットの発電を行っており、3年後には40万キロワットに増やす計画という。
日本は、ただ地下に寝かせておくだけなのか。事業化の経済性に関するある調査によると、予想以上のコストがかかり、一企業が取り組むのは難しい。
国谷の「クリーンエネルギーは初期投資が高くつくんですね?」に、番組に生出演した千葉大の倉阪秀史教授は次のような開発を拒む理由を……
「資源が地下にあり、まず調査で費用がかかる。そのうえ設備が大型、場所が山の中なので送電線を引く費用もかかる。運転費用は安いんですが、初期投資がかかる」
国谷がさらに「アメリカの徹底した戦略に圧倒される思いですが、日本は何故出遅れたのですか。国の姿勢としてはどう取り組めば?」と。
倉持は「電力自由化という発電コストを避ける政策に行ってしまい、コストの高い再生エネルギーは取り残された。国全体の戦略形成がされて来なかった」と指摘。
さらに、国の姿勢については「経産省が最近になってようやく検討会を始めたばかりで、まだ結論は出ていません。民間の投資を引き出させるような施策、例えば投資回収年数を短くしそれを保証する政策が必要です」という。
中途半端な構造改革に悦に入って、国の基本である資源確保で長期戦略を練り、具体化するリーダーがいなかったということか……
モンブラン
<メモ:地熱発電>
地下のマグマによって熱せられた蒸気が地下から噴出する、この熱エネルギーを利用してタービンを回して発電し、冷やされた蒸気を再び地下に戻す。再生可能な資源利用だ。
*NHKクローズアップ現代(2009年4月15日放送)