<テレビウォッチ>「われわれの衛星打ち上げを非難・糾弾する強盗のような議長声明を発表した。自主権を乱暴に侵害し、わが人民の尊厳をひどく冒涜した……」
昨日(4月14日)15時過ぎ、朝鮮中央テレビの「名物おばさんアナ」が例によってダミ声を張り上げた。北朝鮮の6か国協議へのボイコット表明である。
さらに、核施設に派遣されているIAEA監視チームに対し、即刻、退去するよう通告もした。
番組は、司会のみのが「自分で自分の首を絞めているのが分からないのかしら?」と、北朝鮮の狙いを取り上げた。
自主権の侵害、尊厳の冒涜など言える資格があるかと言いたいところだが、そこがこの国の破廉恥なところ。では、狙いとは一体何なのか??
毎日新聞編集委員の鈴木琢磨は、国内と国外向けに2つあるという。
「国内向けには、国民を団結させ体制維持を図る狙い。国外向けはアメリカと直接対話して体制維持を認めさせること。とくに『体制維持』については並々ならぬ思いがある」と分析する。
その背景あるのは「将軍様」の健康不安。
「将軍様のやせ細った姿を目にして……1度も言葉を発することができなかった」。党の機関紙である労働新聞がこのほど、異例中の異例ともいえる将軍様のマイナスイメージを取り上げたのがその理由という。
スタジオでは、毎日新聞論説委員の与良正男が「狙いはその通りでしょう」としながら、「カギを握るのはアメリカと中国で、今後どう出るかだ」と次のように言う。
「アメリカと交渉すれば日本も韓国もついてくると思っている。ただ、オバマさんの北朝鮮対策がはっきりしないところがあり、アメリカの主要メディアは『対北朝鮮政策は支離滅裂だ』とまで批判している。
北朝鮮は予想以上に議長声明を嫌がっているが、それに乗った中国に対しても、我々が思っている以上に不信感を相当持ったらしい。その中国は、6か国協議の議長国として面子をつぶされた」
TBSシニアコメンテーターの川戸恵子は「『弱者の恫喝』とよく言いますが、ずっとこのやり方でやって来て、今のところ成功している」と。
当面、膠着状態が続くのだろうか。しかし、その過程で着々と核関連技術やミサイル技術を進化させていく北朝鮮。『弱者の恫喝』と甘く見、気付いたら核大国では遅すぎるのだが……