「話が違う!」老人ホーム 「性善説」崩壊と投資ファンドの関係

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

行政を当てにしてはダメ

   キャスターの国谷裕子は「ムリな事業モデルにもかかわらず、事業に参入する。その背後に投資ファンドがあるわけですが、公共性の強い事業と投資ファンドが結びつかない……」と。

   確かに、いくら金融危機とはいえ投資ファンドが、ノウハウもない「福祉分野」へ何故に投資をとの疑問が湧く。

   番組によると、有料老人ホームが次々と建設されたのは、介護保険制度が導入された2000年以降という。とくに06年以降から急増し、この3年間で4075件も増えた。

   このうち事業者が変更したり、廃業に追い込まれたりした有料老人ホームは469件に達しているという。

   行政側が、こうした新規参入を動機をチェックできるのは「書類の不備や福祉面でのチェックだけ。経営内容までは無理」という。つまり野放し。

   番組に生出演した立教大の高橋紘士教授は、こうした疑問に次のように答えた。

   「有料老人ホームは以前、比較的大規模で使命感を持った企業が参入し、息の長い、ローリスク・ローリターンの堅実な経営でやってきた。

   それが介護保険制度の導入でホームの経営が安定してきたためにいろんな企業が参入し不安定になった。それまでは企業性善説で悪いことはしないという前提があった。が、数年前からの市場原理中心で、(企業の倫理感が)変わってしまった」

   やはりもとといえば、小泉政権が「勝ち組」「負け組」と盛んに吹いたあの時代なのか……。国谷が「では、どうすればいいのか?」と。

   「もはや行政を当てにしててはダメ」という高橋教授は、最近動き出している社団法人によるホームの格付に注目している。

   また、調査権、勧告権を持った苦情処理の仕組み、ドイツのように判断力が低下した入居者に代わって判断する、生前後見人の制度導入も必要だと指摘する。

モンブラン

   * NHKクローズアップ現代(2009年4月9日放送)

姉妹サイト