<コンカツ・リカツ>いきなり、女2人が「そういうひがみったらしい根性だから結婚できないのよ、このガケっぷち女!」「あんたこそ離婚寸前のガケっぷちじゃないのよ!」と罵倒しあい、あげく頬っぺたを張りあうシーン。
アラフォー2人がつかみ合い
いくら女のホンネドラマといっても幼稚すぎるんじゃない? コメディだから思いきって面白おかしくしているつもりかもしれないが、同様に「ハチャメチャに面白く」しようとしてイタいすべり方をしている朝ドラ「つばさ」とのNHK的共通点を感じてしまう。なにかズレてるんですね。すみっこで一人勉強していた優等生が、楽しそうな劣等生仲間に入りたくて、むりやりヘン顔を作って異常なハイテンションで首を突っ込んできた……みたいな。
ちなみに「つばさ」では、とっても小顔な多部未華子との対比で、高畑淳子の顔のデカさが気になって気になって、落ち着いて見ていられない私である。
さて、本題に戻ろう。なにやら脅迫的な声のオープニングナレーションによると、日本では44秒に1組が結婚し、2分4秒に1組が離婚し、4人に1人が生涯独身という計算になるという。「結婚氷河期」で、熱心に「婚活」しないと、その1人になっちゃうのだそうである。「やれやれ、やっと就活を乗り切ったと思ったら今度は婚活かよ」というタメ息が聞こえてきそう。もっとも、失職して、その就活も乗り切れない人にとっては、タメ息どころか号泣したくなるかも。
主人公は冒頭のつかみあいの2人、39歳OLの町田七海(桜井幸子)と中学校同級生の主婦・工藤梨香子(清水美沙)。アラフォー世代である。コンカツに対し、リカツ(離婚活動)という言葉はこのドラマが作ったみたいだ。それにしても、桜井の「コンカツってなに? トンカツ?」というオトボケには参った。おいおい、いい加減にしないとアタシだって怒るよっ!
国生さゆりがいきいき
ところで薄幸顔のヒロイン・桜井と、幸せ太りが服を着たような母親役の松坂慶子というキャスティングは意図したものか? 朝ドラの母娘といい、この母娘といい、NHKは対照的なのが好きなのかしら。
独身者しか入れない「会員制シングルスバー」というのが出てくるが、実際にこういうのが増えつつあるのだろうか。お店の人が出会いのコーディネートをしてくれる「お見合いバー」らしい。なるほど、お見合いパーティよりも常設のバーのほうが便利だ。合コンと違ってめんどうなセッティングも要らないしね。
2人の他に、同じく同級生で39歳の雑誌副編集長・松崎るり子(国生さゆり)とその部下で29歳の派遣・美穂(大桑マイミ)が婚活戦線に参戦。第1回を見たかぎりでは、国生さゆりが一番いきいきしていて、私は好きだな。美人だし。
配する男たちは、絵描きフリーターの省吾(中川晃教)、トイレメーカー社員・村尾(高杉正)、梨香子の夫・正彦(津田寛治)、幼稚園長の園長(二階堂智)。いずれもサエないメンメン。もっとも、このドラマでは男はまるっきり添え物だからイケメンは要らないんだけど。
美穂は「まだ君を養っていく自信がない」という「煮え切らない男」と別れたらしいが、こんなことを言うのはその女と結婚したくない言い訳としか思えない。もし本気だとしたら、男とはとんでもない思い違いをしているヤカラだ。少なくとも、まともな女は「養ってほしい」なんて思ってないよ。信頼できて、気分よく互いの稼ぎを持ち寄って三食食べて屋根の下に寝られれば、それでいいんだからね。
カモノ・ハシ