「止められるのはアメリカだけ」
しかも、北朝鮮の狙いは、どうやらアメリカとの直接交渉にあるらしい。韓国の外交専門家は、クリントン政権時代、テポドン1号を打ち上げた北朝鮮が、結果として、アメリカから経済支援を引きだした前例を挙げて、「さまざまな見返りを期待しているのだ」と見る。しかも今回の発射で、「飛距離が伸び、着実に技術を高めつつあることが明らかになった」(ナレーション)。北朝鮮は、より交渉力を増したといえるだろう。伊豆見元・静岡県立大学教授も「北朝鮮の核再開発を止められるのはアメリカだけ」と言う。
国谷裕子キャスターが今後の見とおしを尋ねると、小此木教授は「4月が今度のミサイル問題のピーク。5月になればひと山越えるだろう。そのとき、北朝鮮とアメリカとの交渉が動き出せば日本外交にも新しい機会が生まれる」。さらに「国交正常化をテコに核、ミサイル、拉致を解決するといった意気込みで臨むべきだ」と締めくくった。
『近くて遠い外交上手な国』から脅威を受け、『遠くて近い(と思われる)国』に頼らざるを得ない、外交が得手でない国の先行きは……。
アレマ
*NHKクローズアップ現代(2009年4月6日放送)文
アレマ