中国の英語教育に注目
ここで2人の識者の異なる見解が示された。1人は吉田研作・上智大外国語学部長。中央教育審議会委員で、英語教育を進めてきた。注目するのは中国の英語教育だ。小学校から必修で、とくに自分の意見、自分を表現する道具ととらえて、徹底的な実践教育。
「英語は事実上共通のコミュニケーション・ツール。これが使えないと不利になる。ハングリー精神が強いから、生きていくために必要だとはっきりしている」という。
もう1人は数学者で、「国家の品格」の著者である藤原正彦。使える英語を過度に求めることに懐疑的だ。「ツールだから片言で通用する。それより読む力、国語が重要だ。読むことで教養になり大局観や長期的視野が生まれる。伝達する方法よりも、内容だ」と。
鳥飼教授も「語るべき内容をもつこと。読む、書くことがないと、話す内容が薄っぺらになってしまう」といった。
まあ、どちらにするかという話ではあるまい。日本語が薄っぺらな人は、英語でもそうなのだから。といって、滑らかにしゃべりたい。日本人の永遠のテーマ。わが身を振り返っても、もう遅いか。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代(2009年4月2日放送)