ロボット「標準」争い
さらにもう一つ、『国際標準」獲得への戦略も忘れてはならないと高橋・副理事長は指摘する。
この『国際標準』で、すでに議論が始まっているのが安全性の確保が重要視されているロボット。2011年に国際的な安全規格を決定することになっている。
日本のロボット技術は世界でもトップクラスだが、もし日本に不利な『国際標準』に決まれば、これまでの努力が生かされないことになる。
その最大の脅威が韓国。サービスロボットに年間70億円もの巨費を投じ、日本との技術の差を詰めている。「2年後の『国際標準』は、私たちのほうが採用されるでしょう」と、張ったりでも無視できない自信。
国谷キャスターは「もし標準がとれないと、日本のダメージは大きいでしょ?」に、高橋副理事長は「設計をやり直さなければいけなくなるし、特許料を払うハメにも……。場合によっては、韓国と組んでやることも考えねば……」と。
モンブラン
<メモ:国際標準>
WTO(世界貿易機関)が1995年に企業に義務付けた安全性などの規格。ISO(国際標準化機構)に加盟する157か国の民間技術者や研究者が参加し、多数決で『国際標準』を採決する。日本はこれまで、マーケットシェアを確保すればいいと力を入れてこなかった。
*NHKクローズアップ現代(2009年4月1日放送)