新聞・TVは「お上」に屈服 「裁判員制」雑誌は問題点えぐれ

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   今週は現代が「創刊50周年記念特大号」。先週の文春の特大号に比べると、質量共にやや劣るが、「表紙を彩った奇跡の美女たち」のトップは、やはり、吉永小百合。御年20歳。ややはにかんだ表情が、永遠のサユリストである私の心を捉えて放さない。この写真だけでも買う価値はある。

   大特集は各界42人に「心に残る『あのできごと』」を語ってもらう24ページの大ワイド。日野原重明氏が「よど号ハイジャック事件」、石原慎太郎氏が「三島由紀夫自決」、田中康夫氏は「女性との同衾中に知り」現地へ駆けつけたという「阪神淡路大震災」、ちばてつや氏は「金嬉老事件」について話しているが、全体に総花的で、もの足りない感じが残る内容だ。

現代と相撲八百長 協会「勝訴」に思うこと

   先日、東京地裁が下した「横綱・朝青龍らに総額4290万円を払え」という判決に対して、2ページを使って「反論」しているが、やくみつる氏の「あの記事は現代さんが無茶をしすぎたな、という気はします」というコメントを入れるなど、やや弱気な姿勢が気になる。

   先週、40人ばかりの学生たちに話をした際、大相撲に八百長はないと思う人は手を挙げてくれと聞いたら、1人だけしかいなかった。私ばかりではなく、大相撲に八百長があると、多くの人は思っているのだ。大麻、リンチ事件も続発している。公益法人「日本相撲協会」には、そうした汚濁を浄化する義務があるはずである。そこに踏み込まずに、驚くような高額の賠償金を払えというのは、世論を無視した一方的な判決だと、私は思う。

   5月21日から始まる「裁判員制度」は、こうした軽微な裁判は対象にならないが、もし、ここに裁判員がいたら、こんな判決にはならないだろう。

   その裁判員制度だが、もうすぐ始まるというのに、雑誌で扱うところが少ないのはどうしたことだろう。特に、裁判員に予断を与えない「事件・事故」報道について、もっと議論すべきだ。

   新聞テレビは、昨年早々「自主規制」することを発表してしまったが、雑誌は、「新たなルール作りが必要とは考えない」(日本雑誌協会)としている。


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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