<テレビウォッチ>「イヌの鳴き声がうるさい」で始まったご近所迷惑。20年にわたる確執で当初の被害者が加害者になり逮捕される結末に……
リポーターの阿部祐二が、長崎市内で起きたこの言語に絶するご近所迷惑を取材した。
事件は、今年2月18日長崎市内を走る路線バスの車内で起きた。バスに乗っていた吉川セツ子容疑者(65)が、前に座っていた近所に住む77歳の主婦に向かって、いきなり大声で暴言を吐いた。
「この人の一家は大ドロボー、夫が万引きするところを見た。息子は会社の商品を盗んでいます」
バスには他に40人ほどの乗客がいて、いたたまれなくなった主婦は途中でバスを降りたという。
被害者の主婦は取材に「今年になって息子について、痴漢とか、のぞきとか言いがかりをつけられた」こともあり、我慢の限界を超えて3月12日に警察に告訴。吉川容疑者は31日、名誉棄損容疑で逮捕された。
実は、この争い20年ほど前に遡る。発端は、被害者の主婦が飼っていた7匹前後のイヌの鳴き声だった。
当初「被害者」だった吉川容疑者の息子によると「イヌが鳴くのはわかるが、庭にフンやオシッコをする。窓をあける夏場は臭くてたまらない。言っても(被害者の主婦)はいうことを聞かなかった」という。
事情を知る近所に人の意見も「確かに、鳴き声がやかましくて迷惑でしたよ」。
どこにでもある犬の鳴き声を巡るトラブルだったのが、ところが何処でどうこじれたのか、吉川容疑者の暴言が始まった。
これも近所の人の証言。「それは半端じゃなかとって……。あなたなんか吹っ飛びますよ。『誰だ!?』『出て来い』って」。
こんどは被害者の立場に立った主婦の家族が、この暴言をカセットテープに録音していた。その一部を聴くと「ちょこ、ちょこ、ちょこ、ドロボーしとったじゃろうが、恥ずかしかなかー。ドロボーの仕事人だもんな~。80にもなって……」。
あげく吉川容疑者は、昨年4月には被害者の主婦の夫にホースで水をかけ暴行容疑で逮捕されている。このときは罰金15万円ですんだらしいが、その後も吉川容疑者の暴言は終わらなかった。
近所の人は「今回、逮捕される前日は、何が起きるかわからんという状態でしたよ。殺気を感じた」と。
司会の加藤は呆れ顔で「20年って長いですね。元の原因が何か分からなくなっていますね~」。
この日コメンテータとして初出演の弁護士で俳優の本村健太郎が「ボクが弁護士なら示談にしてもらい、告訴を取り下げるよう交渉しますね。でないと終わらない……」。
テリー伊藤も「逮捕されたのはアンタの所為だっていう意識を持つた可能性がある。年を取ると被害者意識が強くなり、人生の大事になってきちゃう。世の中が老人化、高齢化してくると日本中で起きますよ」とも。
この両家の言語を絶する争いの真の被害者は、他のご近所の住民かも……