「よい現場」残せば飛躍できる
後半で紹介される部品メーカーの生き残り策と技術についても、藤本は信頼を寄せる。九州北部は、自動車バブル当時よく売れた高級車生産の中心だったという。それだけに部品メーカーの苦境はより厳しく、懸命に生き残りを模索している現状だ。
「どんなに厳しくても現場を鍛えることをやめない。現場を鍛えると人が余るが、余った人を、忙しいときにはできなかった教育、改善に回す。そういう『籠城戦』をやって、よい現場を残せれば、生き残れて次に飛躍できると信じている」と藤本は評価する。さらに「高級車で使った製品をエコに移して行こうとしている。むずかしい設計という点では同じで、スムーズに行ける」と見る。
やはり、よい現場と、それを牽引する存在が噛み合って始めて生き残りが可能、という結論に落ち着きそうである。
久方ぶりの国谷に活気が見えたのは、休養を取ったためばかりでなく、ゲストの藤本が1度も手元の原稿に目を落とさずにコメントしたことも一因だったのではあるまいか。
アレマ
*NHKクローズアップ現代(2009年3月30日放送)