<テレビウォッチ>タイのドラッグストアから、ある風邪薬が姿を消したという。なんとマフィアが大量に買い占めていたらしい。その風邪薬が塩酸エフェドリン入りだった――と聞けば、ミステリーの種は明かされたも同然だろう。
市販のエフェドリンから覚せい剤を密造するのは洋の東西を問わず、よくある手口。日本国内でも、「した」だか、「しようとした」だかで逮捕された話はたまに新聞テレビなどでも目にする。
筆者的にはなあんだ、となったのだが、スパモニのメインキャスター赤江珠緒は、風邪薬からメタンフェタミンがつくられると聞いて「へええ~!」と、テレビ前の一般視聴者のように素直な驚きを隠さないのだった。
あることを知らなくても、自分がそれを知っているべきか否かが、なんとなくわかるのが大人の分別であり、ときには知らないことを積極的にそうと表明しないのが大人の判断でもある。とくにテレビのキャスターなどは、そういう場面が人一倍多そうではある。
いつもそこらへんに無頓着に見えるのは、気取らない、さばけたキャラの赤江の良さでもあり、「番組の顔」としては、そういうけれん味のなさが物足りなく感じられる場面もまた多いものだ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト