<テレビウォッチ> 「思いつきでやったのだろう。その程度のネーミング。ことの重大さは分かっていないと思う」。
愛知県半田市の市立中学校で、妊娠中の担任女教師を「先生を流産させる会」と称して悪質な「いたずら」をしていた1年生男子生徒に対する教頭の説明である。
「思いつき」だけで済ませることなのか、「事の重大さ」を少し軽く見過ぎていないだろうか……
いたずらは、今年1月から2月にかけてあったという。先生に不満を持った生徒11人が「先生を流産させる会」と称してある行動を起こした。
ただ、11人のうち6人は名前だけの参加で、実際に加わったのは5人。1人は発案者、1人は見張り役、3人が実行役だったという。
で、問題は「流産」させるために、女教師用のイスの背もたれのねじを緩めるという具体的な行動を起こしていることである。実行した生徒たちは、ある程度こうすればこうなるという「結果」を予測できていたのではないか。
5月に出産する予定の女教師は転倒することもなく、大事に至らなかったようだが、転倒すれば流産の恐れもあった。
何故、生徒たちは、担任の女教師に不満を持ったのか?
これらの生徒は、クラスに発達障害と不登校の生徒が2人いて、2人の周りに仲の良いクラスメートを配置する席替えを行ったことに不満を持ったという。
教頭は「たかが席替えと思うかもしれないが、けっこう大きなこと。2人の生徒への配慮で、希望の席につけない状況になり不満が残った」のだという。
さらに教頭は、「怖さを感じませんか?」に「もちろん感じています。当然由々しき問題です。厳しく説諭しています。大変なことなんだと認識させたうえで、先生に謝罪を入れさせた」と。
生徒たちは、特別に指導を要する生徒でもなく、ごく普通の生徒という。だからこそ怖い。昨年まで小学生だったごく普通の子供が、先生の流産を企む??とは。
もちろん教頭も分かっていると思う。ただ、本来敬うべき先生に対し、子供がそういう発想をする教育とは何なのか。もっと掘り下げて考える必要があるのでは…。
もっともスタジオでもコラムニストの勝谷誠彦が「『流産させる会』というネーミングをつけなければ、どこの学校でも多少ある。わざわざ騒ぎたてるほどのことでない」と。
この勝谷のコメントにスタジオは一瞬シーンと。タレントの三船美佳が「この男の子たちは、大人になり父親になった時に、自分たちのしたことの重大さを知ることになるのでしょう」。