「環境で経済振興」進むアメリカ 「技術はあるのに…」指くわえる日本

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「縦割りにとらわれてはいけない」

   むろん、これらが実現するには、電力会社が家庭電力を高値で買い取る「制度」が必要だ。当然電力会社の電気料にはねかえるから、政治的な判断が必要になる。しかし、カリフォルニアも含めて、みなこれに踏み切っている。反対する産業界と世論をバックにする州政府の勝負である。

   これらの土台になる技術についていえば、電気自動車用の蓄電池にしても、太陽光発電のパネル、風力発電から細々としたものまで、日本の技術は世界の最先端をいく。かつてのオイルショックで、代替エネルギー開発に助成した結果である。

   しかし、例えば「買い取り制度」の導入を躊躇したために、家庭用の太陽光パネルの普及は進まなかった。いま発電量でドイツに抜かれ、普及ではスペイン、アメリカに追い抜かれた。「総合戦略を組み立てる力の差だ」と寺島はいう。

   経済産業省は先に「固定価格買い取り制度」を「太陽光発電に限って」導入することを決め、電力業界も同意した。不況に背中を押された形だ。しかし、風力を推進する環境省は口を出せない。縦割りの壁だ。

   環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也は、「経済効果は大きい。改革はスピードが命。縦割りにとらわれていてはいけない」という。結局はそれだ。

   番組は触れなかったが、温室効果ガス削減について日本経団連などが、新聞の意見広告で「3%削減でも1世帯あたり105万円の負担」と異を唱えた。これに斉藤環境相が「大変悲しい」と語ったのは、この放送の日だった。

ヤンヤン

   *NHK 環境で不況を吹き飛ばせるか? 動き出したグリーン・ニューディールの挑戦(2009年3月19日放送)

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