管理社会が嫌でホームレスに 「そんな人ほとんどいない」

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   ホームレスを救済するために、アパートや仕事の世話をして、社会復帰させる。それが今回のゲスト、奥田知志の仕事。NPO法人 北九州ホームレス支援機構の理事長だ。人との絆を大切に、人々と接する。700人の人々を救済し、その9割を社会復帰させた。

「一般的にはね、好きでホームレスやってるんだとか、例えば管理社会に嫌気がさしてホームレスに(なったんだろう)とおっしゃる人が結構多いんですけどね。私は20年間見てきてそんな人はほとんどいない」

   失業が原因で、ホームレス生活を強いられた人が7割を占めるという。奥田の手助けで社会復帰できた老人の姿や、身寄りのない人に温かく接し支援する奥田の姿は、見ていてとても暖かい。人との絆を忘れてしまった人に、もう一度温もりを取り戻すのが彼の仕事だ。

   だが、私は思う。年齢や病気が原因で助けが必要な人だからこそ、保護されなければいけないのだ。新しくホームレス、もしくはそれに近い道を選ぶ若い人に、手助けを行う必要はあるのか。現に自らの力でホームレス状態から社会復帰し、活躍している人は多い。その気になれば、人はどんな状況でも動き出すのだろう。それが出来ない人は、たとえ復帰できたとしても、また同じ失敗を繰り返す可能性も高いのではないか。

   奥田も定期的に、社会復帰した人を訪ねてケアをしているそうだ。社会になじめずにまた失敗を繰り返す可能性があるから。社会復帰させるというのは、相当な根気のいる行動なのだろう。

   さて、スタジオトークの中で、ゲストの愛用する道具を紹介するコーナーがある。彼が鞄の中からとりだした物の中に、聖書があった。彼はキリスト教の牧師でもある。慈悲の心で行う救済。奥田が活動を行う理由の一端が見えた気がした。

慶応大学 がくちゃん

* NHKプロフェッショナル 仕事の流儀(2009年3月10日放送)

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