「入院日数、再入院率が参考に」
これに比べると、日本の取り組みは甘い。池田教授は「国が公開するデータは限られているし、治療成績などのデータも不十分な状態だ」と語る。それどころか厚労省は、必須と思われるデータさえ減らす傾向にある。たとえば、がんの場合、病状の重さによって9段階で記入されることになっているが、最近は空欄が多いらしい。厚労省によると、DPCデータを収集する病院側の負担軽減のために、データ記入を簡素化しているのだという。お金の問題なのである。患者のための情報が遠くなっている印象だ。
「患者の立場から公開データをどう活用すればいいのか」という森本健成キャスター(国谷裕子キャスターの代打)の問いに、池田教授はこう答えた。「今後の治療について主治医と相談するときに、入院日数、再入院率が大いに参考になる。昔のようなお任せ医療ではなく、客観的なデータに基づいて患者と医師が治療方針をともに考え、ともに決める有用な情報になると思う」。
ともかく英国方式を早急に導入してくれ、と叫びたくなった。「世界第2の経済国」を標榜するのであれば、そして、これまでのムダ遣い、バラマキを顧みれば、それくらいやってくれても罰は当たるまい。
アレマ
* NHKクローズアップ現代(2009年3月2日放送)