地元でお金が回らない
キャスターの国谷が、番組に出演した琉球大の我部政明教授に聞いた。
「沖縄の人たちは騒音や汚染の負担を日々実感している。取引の1割が沖縄県外の投資家ということについて、沖縄社会にもたらしている変化、影響はありますか?」
「本来、『補償』として国が地主に支払ってきた地代が、県外の投資家にいってしまい、地元でお金が回らなくなってしまっており、基地を抱える沖縄の経済が立ち行かなくなってしまっている」
我部教授はさらに「沖縄のすべての人が『軍用地』を持っているわけではない。持っていない人との格差が出て、いびつな社会になっている。また、軍用地料で生活できるので、若者の間で働く意欲が希薄になってきている」と、別な問題が出ていることも指摘した。
基地で翻弄され、基地が出す騒音や汚染に日々負担を実感する沖縄県民。
そんな悩みと全く無関係の本土投資家が、『補償』で値上がり確実な「軍用地」に投資する。そんな歪んだ構造を放置しておくのは、やはりおかしい。
モンブラン
* NHKクローズアップ現代(2009年2月25日放送)