<テレビウォッチ>赤字財政で病院を休止するところまで出ている地方自治体。そこに勤める公務員給料をご存じだろうか……
その公務員給料の明細を1円単位まで公表した市長が今、窮地に立たされている。
鹿児島県阿久根市の竹原信一市長。市のホームページ上で市職員268人の平成19年(2007年)度年収を手当てまで含め、多い順に公開したのだ。
1位は市が運営する病院の医師で、手当てまで含めた年収は2586万34円。2位が市長で1015万6800円。3位は職員で909万1694円。副市長は5位で900万円だった。
これまで公務員の給料は、平均額で公表されるのが一般的だが、なぜ1円単位で公開したのか? 市長に聞いた。
「いままでも公開したことはあったが、非常に分かりにくい。分かりにくいものを分かりやすくする当たり前の作業をさせて頂いた。経営という観点で、市役所の人件費の状態を見れば滅茶苦茶。職責・能力と給料の関係もデタラメとしか言いようがない」
阿久根市の人口は約2万4000人。市民の平均所得が200万円程度に対し、年収700万円以上の市職員が職員全体の54%を占めているという。
市長は「仕事や責任に見合った報酬体系に変えるべきだと思いますよ」と。
もっとも、この市長は昨08年8月初当選して以来、他にも「常識」破りの改革で物議を。10月には市議会議員定数を10人減らし6人にする条例案を本会議に提出。議員全員に反対され、あえなく否決された。
市長は「何でも反対。昨年暮れ私のボーナスはいらないと言ったら反対されたのですから」と憮然。
さらに市長は、今年1月自分のブログに、「市議会議員で最も辞めてもらいたい議員は?」と市民に投票を呼び掛けた。
これに怒った議員らが市長の不信任案を議会に提出し、全会一致で可決してしまった。この結果、市長が選んだのが議会の解散。市議会議員選挙が3月22日行われることになった。
もし反市長派の議員が3分の2の多数で当選すれば、ふたたび不信任案が提出され、今度は市長も失職する羽目になる。今回の選挙は剣ヶ峰の出直し選挙。
おおたわ史絵は「人件費削減と給料の額を公開することがイコールで結びつくのか。その間にもう一つ何か足りないような……アイツはあんなにもらっているのかと、反感だけで終わってしまうかも」。
しかし、テリー伊藤は「面白いですね~」と言い、続けて吠えた。
「もともと税金。公開するのが当然。日本中でやって欲しい。年功序列でズーッと上がっていくシステムが異常です。橋下大阪府知事は知名度あるからいいですよ。知名度がない竹原さんはこういうやり方しかない。ボクもバックアップしたい」
伊藤惇夫の「永田町『悪魔の辞典』」によると、数年前の数字だが、民間の平均給料450万円に対し、国家公務員の平均給料は800万円強、これに比べ地方公務員はさらに高く900万円とか。
地方自治体も国も赤字財政を声高に叫び、何かというと消費税増税。まずは見習って人件費削減、定数削減ではないのか。