<テレビウォッチ>宮崎駿映画の音楽で知られる久石譲(58)が、ナマ出演した。先週の日本アカデミー賞で「崖の上のポニョ」で最優秀音楽賞を受賞したが、この日の焦点は「おくりびと」。ちょうど第81回アカデミー賞の授賞式が始まる直前で、「ぜひとってほしい」と、ピアノで「おくりびと」のテーマを弾いた。
ハリウッドからの中継で、レッドカーペットを背にした滝田洋二郎監督、本木雅弘、広末涼子らのナマの声を聞いたばかり。外国語映画賞の初受賞なるか、という場面での登場だった。
滝田監督はビデオで、「メーンテーマを待っていると、チェロですばらしい音楽があがってきたんで、その音楽に乗せられて撮影してたんですよ。音で人を動かすというのはすごいなぁ」という。
久石は、「となりのトトロ」など24年間の宮崎映画の全てを担当。また北野武監督作品も多く手がけている。しかし、その映画音楽について、「映像とのコラボレーションですから、自分の思いが100%伝わることはない」。だから試写を見た後は、「だいたい落ち込んでるので数年間はみない」と意外なことをいう。しかし「思わぬ自分がでることもある」と。
映画「おくりびと」ではチェロで弾くテーマ「Departures」を、久石はピアノで弾いた。ひと味違う「おくりびと」。久石が本当に意図した作品だったのかも。
パッと浮かんだ曲を手近の紙に書き付けることで知られ、スタジオでは、「ポニョ」の企画書に走り書きしたテーマを見せた。「打ち合わせのときに、浮かんだんです」
そしてそのあと小倉智昭が傍らの佐々木恭子を指して、「お腹に赤ちゃんがいるんですが、そのイメージの音ってでますか?」。佐々木も「胎教によさそうな」というので、久石がポロポロっと短い即興を。
佐々木は、「感激です」とお腹をたたいて、「反応してますよ」
最後は、これも手がけた「私は貝になりたい」のテーマ「I'd Rather Be a Shellfish」で締めた。これらはいずれも、アルバム「Another Piano Stories」に入っていると、小倉が紹介した。「佐々木の曲は入ってませんけど」
一番幸せだったのは、その佐々木。「心が洗われました」