<テレビウォッチ>タイトルはズバリ「欲情の作法」。サブタイトルに「実践的最新恋愛講座」とある。大人の恋愛を書かせたら当代随一の渡辺淳一(75)が書いた若者のための恋愛指南書だ。その渡辺に、結婚18年の笠井信輔とほやほやの佐々木恭子が聞いた。
そのやりとりが滅法面白い。例えばこんな具合。
渡辺「男は性的行為ばっかり求めるから」
佐々木「男性ってはたしてそれだけ?」
渡辺「絶対そうです。それが第1の原点」
佐々木「第1の原点?」
渡辺「君がいちばん好きだよということは、2番3番がいるってこと」(笑い)
小倉智昭が本を手に、「ドクトルチエコさんが書いたら、セックスの反芻本になっちゃうけど、渡辺淳一さんが書くとこれが許されるという、やたら面白い本」
笠井が、「75歳のおじさまとお会いして、俺は男として負けている、やばいと思いました。攻めなんですよ」(笑い)
渡辺淳一はご存じ、札幌医大卒の医師。1970年「光と影」で直木賞受賞。97年の「失楽園」は300万部超のベストセラーで流行語大賞。2006年になっても「愛の流刑地」と常に男と女全開だ。「欲情の作法」はきのう(2月19日)発売。
笠井が「男がいかに女をゲットするかが、事細かに書いてある」
小倉が「最初の体位はなにがいいかと、そこまで書いてくれている」(笑い)
なぜこれを書いたか。渡辺は「若い人がどうも恋愛がうまくいかないとか、うまくいかないと暴力を振るうとか……女性も婚活というのか、うまく男性と恋愛関係に入れないと。そういうことで本を書いてみたいと思っていた」という。
で、渡辺のレッスンは
◇ 女性を追う作法 1兎ではなく3兎も4兎も追え
渡辺「2兎を追うからつかまらない」
佐々木「女性からすると、自分だけを追ってほしい」
渡辺「男は1人だけを追うと、非常にストイックになってストーカーになる」
◇ 褒め言葉の作法 とにかく相手を褒める。コツは「心をいれない」
渡辺「男は性行為を求めようとする。そのためにあらゆる優しさがあるわけでしょう。あわてちゃいけない。女性はセックスそのものはもっと先の先のことなんでね。それまでの言葉や雰囲気が大事」
◇ マイルームの作法 2人だけのソファーを置くべし――といった具合。
佐々木は「これを読んで、男の人はこんな風に手ほどきしてあげなきゃいけないほど自信がないんだなと」
渡辺「ひ弱でナイーブでデリケートな生き物。難しいナマ女と触れあってうまくいかなくても、最後は自分で満足するよという傾向に入り込んでるんじゃないか。それが怖いような気がして」
これが、いろいろな事件の元になっているのは、厳然たる事実。新成人にたいする調査でも、「交際相手がいる」というのが、1997年には男48.0%、女51.0%だったのが、2009年にはそれぞれ20.5%、33.3%に落ちている。特に男の低落がひどい。
「あらららら、みんな1人なの」と佐々木。
小倉が「女性はだれか、ダブってるということだよね」と笑う。
インタビューの後には若い男女5人がいたが、それらの悩みにも渡辺は答えた。
「理想を追い求めすぎまして」
渡辺「つかまらないのであれば、目先でも何でもいいから追いなさい。ゲットしなさい」
「(触るのは)難しそうで」
渡辺「頭で考えなくていいから、まず触って」(笑い)
「断られるのが嫌だというか怖い」
渡辺「自分は立派で偉いものだと思いこみすぎ」。しまいには「これだけ(男女が)いるんだから、すぐ前の人とつきあってみれば」(笑い)
渡辺はさらに、笠井、佐々木の結婚生活にまで切り込むのだがカット。
最後に「80代の人でも、セックスできなくても肌をさすり合うとか、手を握るとかはできる。精神的なもののほうがずっとステキかもしれない」
小倉は、「渡辺さんの場合は、愛情込めて身体をさするだけで終わらないとは思いますが」(笑い)「本は手に取りやすい。ページをめくるとうわーっと」(笑い)
読んでみようか。