衆院、参院あわせて722人――。国会議員の数が多すぎると、太田光総理(爆笑問題)は訴える。単に外からそう見えるだけではなく、当の政治家たちも決して少なくはないと感じてるらしい。自民党や民主党なども将来的に議員の数を減らす姿勢を打ち出している。
しかし、それは泥棒に縄をなわせるようなもの。本当にやる気かどうか疑わしいし、減らし方も足りない。そこでソーリは、もっと過激な「国会議員を100人にします 」法案を、番組の小さな国会でいますぐ可決させようというわけだ。
年420億円の節税「万々歳」だ
国を代表する政治家様の日ごろの行いといえば、国会では居眠り(「国会議員なら、誰でも一度は居眠りしたことがあるはず」と平沢勝栄議員)、ケータイ片手にメールやテレビ。原稿の漢字は読み間違い、記者会見では前後不覚。100人近くが委員会で約1年間発言なし。「ムダな人間、役に立ってない人間が多いってことですよ!」とソーリは吠える。少数精鋭ならば、優秀な人材が集まり、一人一人が注目されるので、こんなことはできないはずである。「大人数だから、目立たないと思ってやってるんでしょう」(ふかわりょう・お笑い芸人)
ムダは国民の税金問題でもある。議員様たちに払う費用は一人あたり年間6740万円。総額約487億円。これが100人ならば、67億円。100人になれば、年間約420億円の節約にもなるのだ。そのほか、議員宿舎や公用車、海外視察費、交通費、政党交付金なども大幅に削減できる。
そうなれば、「万々歳」じゃないか。ソーリは粛々と具体的内容を説明していく。こういう、つまらない話には大抵ボケを挟むものだが、今回はあくまでリアリティを追求したかったのか、終始真剣な様子がうかがえた。
法案反対に回った「政治家軍団」の意見は「100人で国の政治ができるのか」という点だ。答えはもちろんNO。「官僚と戦うには人数がいる」「国民の声に応えるきめ細やかな政治ができない」。そんななかで、政治家でただ一人、賛成を表明したのが原口一博議員。「(シンクタンク的機能を充実させれば)100人という数は十分に検討に値する」。現職の国会議員がそう言うと、この法案もにわかに現実味を帯びてきたように感じられた。
ところで、今回の放送でソーリをもっともエキサイトさせたのは佐藤ゆかり議員だった。どうもこの御仁とソーリは相性が悪い。佐藤は「イギリスの13世紀に議会は発達しましたよね」と前置きして、何かを言わんとした。だが、多分そういう回りくどい、学のひけらかし的な物言いが癇に障るのだろう。「しらねーよ、イギリスなんか! いつの話してんだよ。13世紀とか何年前だよ!」。ソーリは、まるで同級生からバカにされた子供のように言い返し、佐藤は軽くため息をつくのであった。
なお、法案は賛成13、反対6の意外な大差で可決された。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)