<テレビウォッチ> 大村正樹がJR電車の写真を指して「これは何ですか?」「何で動きますか?」はいいが、「電気はどこから来てるか知ってる人?」。いるわけがない。
実は東京から200キロ離れた新潟・十日町市のJR東日本信濃川発電所からで、首都圏のJRの電力の4割を供給しているのだそうだ。それが止まるかもしれないというのだ。どういうことか。
大村が訪れたのは、宮中取水ダム。「JRが発電所をもってるなんて知りませんでした」といいながら、カメラが信濃川の上流を撮すと満々と水をたたえたダム。右手に発電用の取水口があって、水の大半はそちらへ流れ込んでいる。
で、カメラが一転して本流の川下を望むと、あらら、これが信濃川? 水流の幅は10メートルあるかないかで、ちょろちょろ小川という風情。「細いです。やせてます」と大村。
信濃川といえば、全長367キロの日本一の大河のはず。それが、200メートルはある川幅の大半で石ころの川床をさらしている。大きな丸石がみな川下へ傾いているのは、かつてとうとうと水がながれていた証。現に2004年の写真では、川幅いっぱいに水が流れている。それがなぜ?
原因はJRの水のとりすぎ。それも1998-2007年の10年間に、1億8000万トンを不正に取水していたというのだ。ダムはコンピューターで取水量をコントロールしているのだが、その数値をいじって、国交省には虚偽の報告をしていた。
20年前から、地元との取り決めで、JRが毎秒317立方メートル(3か所の発電所へ)、本流毎秒7立方メートルと決めていたのだが、それすら守られなかったらしい。
昨08年9月にこれが発覚して、国土交通省はきょう(2月13日)にも取水停止の決定をするかもしれないのだという。もしこの発電が止まって、JRがほかから買うとなると、年間330億円かかる。昨年の純利益は1900億円だった。もっともJR東日本では、料金にはのせない、安定輸送に努力するといっているというのだが……。
それはともかく、かつてサケ、マス、うなぎが豊富にとれたのが、サケは昭和初期の1000分の1という状態。漁師も800人から半分になった。小中学校の校歌はどこでも、「信濃川」「豊かな水」をうたっているが、生徒たちは豊かな水を知らない。
小倉智昭が、「もしJRが電力を買えないと、首都圏の電車は4割運休だ」
藤田朋子がなぜか「困るよー」
諸星裕は「もともと317対7でしょ。設計の中に入っていたと思う」
前田忠明が、「漁業者は獲れても獲れなくても入漁料払ってます。あそこ一番いいところなんです。サケが遡上して、マスなんか最高のが獲れるところ」
大村は「漁協も毎年稚魚の放流などしてはいるので、ダムの取水が止まると、またサケが戻ってくるかも知れない」という。
嬉しい話だ。電気を金で買えるのなら、とりあえずはサケに賭けてみようではないか。