<テレビウォッチ>郵政民営化で発言内容が二転三転したうえに、「4分社化の中身を国民はよく知らなかった」とまでいっちゃった麻生首相。そのあと小泉元首相に電話したという話は流れていたが、その内容もどうやら違ったらしい。自民党の情報はどうなってるの?
衆院予算委で突然「郵政民営化には反対でした」「4分社化を見直す必要」といって驚かしたあとの経緯は、時系列でいうと、「私が担当でした」「反対だったので、担当をはずされていた」「勉強をして、最後は賛成した」となる。
さすがに党内からも「党内で無用な軋轢を生むような発言は慎まなければならない」(菅選対副委員長)と批判が出た。「4分社化」発言でも、細田幹事長が「そんなことはない」。
さらに奇妙なのは、麻生首相が郵政解散をやった小泉元首相に電話して了解してもらった、という報道だ。内容は、「言葉足らずでご心配をかけてます」という麻生首相に、小泉元首相は、「あの当時はみんな反対だったからな」と答えたのだという。
「そんなことで済んだのか?」と思っていたら案の定、違うという話が出てきた。小泉元首相の秘書官だった小野次郎衆院議員に、麻生電話の前日小泉元首相から電話があったのだと。「小泉さんから電話をもらったなんて初めて」
小野議員はブログで、麻生発言について「総理それはないでしょう」と書いていたが、それについての電話だった。小泉元首相は「全く同感だ。ボクもそのように思うよ」さらに「一国の総理・総裁の言葉が国民から信頼されなくなったら、政治はどうなっていくと思ってるんだ」といっていたと明かした。
直の電話では相当なやりとりがあったとみてよさそうだが、官邸は都合のいいところだけ発表して済ませたのだろう。これを聞いた記者たちは、それで納得しちゃったということか。
そしてきのう(2月11日)、またまた妙な人が割り込んできた。森元首相だ。講演で、「胸を張って民営化した方が正しいと思った議員は、小泉さんだけだったと思う」、(麻生首相について)「ついつい彼はいろんなことを言って、つい本当のことを言って『俺も賛成じゃなかった』なんて……だけど、総理が本気で取り組んでいる熱意はかってやらないと」としゃべったのだ。やれやれ、この人ちっとも変わってない。
笠井信輔が、「森さんも数々の失言などで、最後は支持率10%台まで落ちた人だから、わかるんでしょうかね」といったが、そうじゃあるまい。首相としていっちゃいけない場面と言葉の峻別がつかない点が、同じ。つまり首相の器ではないということなのだ。
さすがに小倉智昭も「あれが麻生さんの正直な気持ちなのだろうが、それを聞きたいときと聞きたくないときがある」と妙ないい方。
これを受けた眞鍋かをりがよかった。「多分麻生さんは自己プロデュースがすごく下手な方なんだなと思います」