「最近の子供はおかしい。しつけがなってない」と議場で叫ぶのは日本ヘタレ芸人党でタレントの山崎邦正。2児のパパでもある彼は最近、コンビニで走り回る子供にぶつかられるなど、散々な目に遭い、口で言ってもきかない子供を叱るために「他人の子どもへのゲンコツを認めます」法案を提出しに来たのだ。本人は他人の子供に注意したことはあるが、ゲンコツはない。この法案を機に、みんなでやりたいと思っているのである。
この番組では、太田光総理(爆笑問題)が提出するか、賛成する法案がほとんどだが、今回ソーリが反対に回る異例の展開。ソーリ曰く、「我々は野蛮なところから文明が出来て、法律が整備された。伝えるものは言葉で伝えましょう、となってきたのに、法律で他人へのゲンコツを認めないと注意もできないなら、それは退化ですよ」
子供へのゲンコツ「愛のムチ」か
山崎は、ビンタ実演のために殴られたり、法案賛成派からの「助けが少ない」と嘆くなど、ヘタレぶりをいかんなく発揮。「形勢不利のようで……」と議長の古市幸子アナに声をかけられる始末に手を差し伸べたのは、自民党の大村秀章議員だった。「学校でも体罰はダメだが、懲戒は認められている。違いは愛情があるか。(子供へのゲンコツなど)愛のムチは暴力じゃない」
それを受けて、山崎は「ゲンコツは愛のムチだ」「愛がないとできない」と、さかんに「愛」を口にしはじめたが、それはむしろ法案否決の決定的敗因だったかもしれない。「コンビニでぶつかってきたクソガキ、見知らぬ他人の子供にどれだけの愛をもって叱れるの?」(倉田真由美・漫画家)、「愛と言いながら自分の怒りを発散している可能性がありますね」(森ゆうこ・民主党議員)と偽善性を突かれると、山崎は目を閉じたまま、黙り込んでしまった。
一方、ソーリと呉越同舟(法案反対)のケビン・クローンの意見はソーリをいたく刺激したようだ。「日本のお笑い芸人は引っ叩きあって、笑いを取ってる。そうやって暴力を肯定、助長している(それでいいのか)」。基本的に暴力反対のソーリも、身近に居る相方の田中裕二はその対象外である。
「(相方の)田中を思いっきり叩く。それでもめることもある」と認めるソーリ。「(本当に)痛いんだよ」とボヤく田中。「オレと(相方の)田中との間に愛はある。オレは田中を愛してる」が、引っ叩くのは「愛」とは別。その過激な暴力で、自分の異常さをお茶の間に見せつけているのだという。見た人が笑うのは、自分の異常さであり、それは暴力が「異常」だという前提があるからではないか――。
熱弁をふるうソーリだが、それを聞いてる田中の表情からは、そう納得している様子はうかがえなかった。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)