<テレビウォッチ>漢字ブームの真ん中にいる漢字の(財)日本漢字能力検定協会に、「もうけ過ぎじゃないの?」と文部科学省が疑問を呈した。2年間で15億円の収益ときけば、だれしも「エッ?」と思うだろう。きょう(2月9日)、立入調査が行われることになった。
協会の顔はおなじみ、毎年の暮れに「今年の漢字は」と清水寺で発表しているあの人--大久保昇理事長(73)。この人が始めた漢字検定の受験者は、1975年には670人だったのが、一昨(2007)年は270万人と英検を上回るという大ブーム。
協会は検定だけではなくて、ネット受験、家族受験、関連書籍は300冊、ゲームまでできてソフトは200万本などなど。年間事業収入が、2007年59億9000万円に達した。もうけ過ぎとは、このことだ。
笠井信輔が、「検定を受けたことは?」と聞いたが、スタジオではゼロ。「若いアナウンサーはみな受けてますよ」
ピーコが、「ブームの元になったのは、フジテレビの私が出ていた番組。4年くらい前」
で、そのもうけ過ぎの中身だが、06年度の検定料だけで8億7000万円だったために、文科省が受験料値下げを指導して、最高6000円を4000円に下げたものの、07年度6億6000万円だった。
公益法人は、所得税が一部非課税になるほか、法人税軽減など優遇されている。そんなにお金を集めてどうする? というのが素朴な疑問だ。調べるといろいろ出てきた。
協会は京都市内の一等地にあるのだが、このビルのオーナーは理事長本人で、協会が賃貸契約している。また、広告を委託している会社も理事長が社長で、さらに検定の採点を仕切っている日本統計事務センターは、理事長の息子である副理事長が社長だという。
また、評議員の供養のためと作った供養塔とか、漢字資料館とかが使われておらず、調査で公益法人の目的外とされる可能性があるという。
笠井は、「昨年の漢字は『変』でしたが、一番変なのはだれでしょうか?」
ピーコは「わかっててやってるんでしょう。業務委託をみると笑っちゃう」
佐々木恭子は、「もうけ過ぎの基準は?」
笠井は「鋭い指摘ですが、明確な基準はありません。で、文科省が通達を出してきているんですね」
小倉智昭は、「業務委託の会社が、漢字検定を始めたあとでできたんだったら具合悪いよね」
笠井は、「調査の結果しだいでは、公益法人の資格が問われるかもしれない」という。
まあ、どこによらず、金がじゃぶじゃぶしているとろくなことがない。