日本男児よ豪快に 番組作りは大胆に

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   <テレビウォッチ>日本テレビ系の読売テレビ開局50年記念「情熱人 松方幸次郎」。松方コレクションとして知られる世界の名画・美術品を集めた男の話で、舞台は大正から昭和初期にかけてだ。

   テレビマンユニオンの重信浩会長が脚本・監督。関口宏と水野真紀が案内役、ドラマの部分では勝野洋らが出ていた。この番組を見ようと思ったのは、幻冬舎の見城徹社長が、吉田茂首相役で芝居をやるという話を聞いたからだ。個人的に仲良しなので気になった。

   幸次郎は、首相も務めた薩摩の松方正義の3男で、川崎造船や神戸新聞などの社長を務めた。アメリカのエール大に留学し、ヨーロッパで美術品の魅力にとりつかれた。金にあかせて買い集め、そのコレクションが後に国立西洋美術館設立につながることになる。

   海外ロケもしっかりしていて丹念につくった立派な番組だったと思う。しかし、番組の主眼が美術品紹介なのか、松方の人物像を掘り下げることにあるのか、がはっきりせず、流れがギクシャクしていた印象はある。焦点が定まらなかった分、人となりが描き切れていなかった。今ひとつ胸に迫ってくるものがなかった。感動的な部分が欲しかった。

   見城社長演じた吉田茂は、置いていた美術品を終戦後にフランスから返してもらう際の交渉のときに活躍した。演技の方は、せりふはうまくこなしていた。でも今度やるなら猪八戒の方が似合うのでは、と言ってやりたい。

      豪快な 日本男児の 意気に触れ

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