中国に「捨てられた」 日本のペットボトルの行き先

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ペットボトルからペットボトル

   番組は、ひとつの光明らしいものを紹介した。ペットボトルからペットボトルを作る技術の実用化である。最大手メーカーの新施設が12月から稼働し始めたのだ。ボトルをまたボトルに――これは理想のリサイクルだ。

   理論的には早くからわかっていたが、ペット樹脂にする技術が、石油から作るよりコストが高く、ほとんど採算がとれない。ただ、製造過程でのエネルギーは4割削減できる。メーカーは、将来の原油高や資源の枯渇をにらんで、「5年、10年で状況を改善できれば……」という。

   細田衛士・慶大教授は、「ゴミ処理ではなく、資源を取り出そうとすると、市場に頼らざるをえない。そうして市場に任せた結果、大きなツケを払うことになった。優秀なリサイクル技術を持つ業者が少なくなってしまった」という。

   「ボトルへのリサイクルの技術レベルはどうなのか?」と国谷裕子が聞いた。

   細田教授は、「画期的。理論はわかっていたが、それを商業化したのは大変なことだ。単にモノを動かしてるんではなくて、新しい産業をつくっているようなもの。しかも、5年、10年で採算が、というのが凄い」

   「今後はこれをどう効率的に動かすか。ペットボトル集めで民間の力を借りるとか。量が増えれば、スケールメリットが出てくる。採算もとれるだろうし、CO2を減らすことにもなる」

   これがおそらく正論なのだろう。しかし、業者たちはいまをどうするか、即効薬探しに必死だ。5年、10年という展望で動ける人たちがどれだけいるか。

ヤンヤン

* NHKクローズアップ現代(2009年2月5日放送)

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