5年、10年かけてトコトン議論を
「もし自分が照川さんの立場だったらと、大いに考えさせられます」(国谷裕子キャスター)。
スタジオゲストの柳田邦男(ノンフィクション作家)は次のように述べる。「医療の発達は呼吸器をつけて延命させたが、その先、どこで外すかの議論を棚上げしてきた。現代医学と社会のジレンマといえる。それを照川さんが問いかけている」とした上で、「精神性をもつ命の重要性を蔑ろにしてきたことを認めなければならない。行政が、線引きしないで個別的な生と死に対応するには刑法とは別な法律をつくる必要がある。そのためには、現場の医療機関サイドの倫理委員会と、全体的な視野をもつ専門家などによる国レベルの第三者的な倫理委員会を、二重構造でつくり、そこで5年、10年かけてトコトン議論を積み重ねて行く努力が要る」。
突きつけた問題は重く辛い。柳田が、長い時間を要するというように、答えは一歩一歩、手探りで探るしかないのだろう。
アレマ
*NHKクローズアップ現代(2009年2月2日放送)