<テレビウォッチ>大麻所持で逮捕された十両力士の若麒麟(本名鈴川真一25)が1月31日に出した引退届を、日本相撲協会は異例の保留とした。きょう(2月2日)の理事会で処分が決まるが、解雇ではなく、最も重い「除名(退職金が出ない)」になる可能性もあるという。
「あれだけ大騒ぎをしたのに、まだやっていた」というのが、だれの頭にもある。尾車親方(元大関琴風)は「ぶんなぐってやりたい」といったが、小倉智昭も、「厳しくいわれたんでしょうに、それでもやっていたというのは、弱さを感じる」と。
角界の大麻汚染問題は、昨2008年8月のロシア人力士若ノ鵬の逮捕から表面化。直後の検査でロシア人兄弟の露鵬、白露山の2人が陽性と出て、若ノ鵬とともに解雇処分になったが、検査の際、若麒麟も微妙な結果だった。
協会の発表では、若麒麟の検査結果は、1回目がグレー、2回目3回目がシロだったとなっていたが、当時の北の湖理事長にきのう「とくダネ」が聞いたところ、意外な答えが返ってきた。
「グレーとは聞いていない。陽性が2回。3回目が陰性だったので、疑いないとした。専門家の先生を信じている」
グレーと陽性では話が全然違ってくる。協会は日本人力士への波及を懸念してこんな発表をしたのだろうか。今となっては後の祭りだが、再発防止委員会委員のやくみつるも、「再検査の必要があったのではないか」といっている。
小倉が、「北の湖元理事長のいうこと間違いないんでしょう」
横野レイコは、「体調不良で検査を受けずに、その後土俵にあがっている力士もいる。もし、彼らが検査を受けなければ、そのままだったかもしれない」
前田忠明が「もう一回抜き打ち検査をやってもいい」
若麒麟は、兵庫県出身。15歳で押尾川部屋に入門、22歳で尾車部屋に移り、幕内3場所を務めて十両に落ちたが、先場所9勝で再入幕確実だった。186センチ、137キロという恵まれた身体で、大型の外国人力士に対抗できるという期待もあったという。
「惜しいよね」と小倉。
それでなくても、日本人力士のふがいなさをだれもが感じているというのに……。