<テレビウォッチ> 山形の料理屋でフグを食べた7人が中毒になり、2人が意識不明の重態になった。調理した店の経営者(65)は調理師の免許もフグ調理の資格もなく、さばいたのは今回が初めてだった、というのだからあきれるが、これ実は違法ではないのだと。どういうことか。
この店は、魚の味がいいと評判で、この日は、ヒガンフグ2匹をフグ刺し、白子の塩焼き、フグひれ酒で出していた。しかし、山形県では取り扱い規制条例がなく、指導要綱のなかでは「資格をとるように」となっているが強制ではなく、罰則もない。で、警察はいま業務上過失傷害の容疑で調べている。
青酸カリの1000倍というフグ毒の扱いは大変だ。東京では保健所の指導で、さばいたあとの毒のある部位ですら、カギのかかる専用の缶にいれて特別に処理している。山形ではおそらく、普通のごみと一緒に扱っていたに違いない。しかも、それは山形だけじゃないのだと。
条例がない山梨県でフグ専門店を出している店主は、「条例がないから、みな好き勝手にやってると思う。寿司屋でも居酒屋でも、簡単にフグを出す」。この店主は東京で免許をとっているそうだが、「命がかかってるんだから、条例をつくらないと」という。
ちなみに、飲食店を出すには調理師免許はいらず、食品衛生責任者の資格があればよい。山形の店主もこれだったという。
加藤浩次が、「フグを調理するには、絶対免許があると思っていた」
「そうなんですが」と大竹真が示した現状は驚くべきものだった。条例に基づいて「フグ調理」の実技試験を実施しているのは、19都府県だけで、特に本州北部、長野、群馬、栃木、茨城のラインから北はゼロ。
加藤が「絶対統一されてると思ってた」
テリー伊藤は、「東北や北海道ではもともとフグをあまり食べないというのがありそうだが、この調理人は、『白子はトラフグにしか毒がないと思ってた』というんでしょう。知識がなさすぎますよ」。トラフグの白子に毒はなく、ヒガンフグの白子には毒がある。「食べた方も、ピリッとするくらいの方がうまいというのがあるんで、うまいと錯覚してたと」
加藤は、「東北では食べないって、いま流通が進んでるんだから、条例が遅れてるね」
「条例作らないとだめですよ」とおおたわ史絵。
大竹は、「前から言われてることなんですね。加藤さんもお店出してるでしょう。極端にいうと、加藤さんがさばいて出しちゃったようなもんですから」
あらためて加藤、「おれがフグさばいてたら恐いよねー」
食習慣がないということは、恐さも知らないということか。いやはや。