今回は番組の小さな国会に笑点メンバーが殴り込んだ。マニフェスト(法案)を持ち込んだ三遊亭楽太郎のほか、林家木久扇、三遊亭小遊三の3人が出演したのである。マニフェストは「75歳までがんばって生きたら、あらゆるものをタダにします」というもの。税金、医療・介護費、交通費、光熱費などの公的費用が無料になる。題して「後期高齢者無料制度」。
もうすぐ後期高齢者の金美齢・政治コメンテーターは「無料になっても老人の問題は解決しない。家族制度の復活が必要」と主張するが、木久扇71歳は大歓迎。子供の頃の空襲の思い出などをしみじみと語ると、先行きの不安も口にする。「こういう職業について、おもしろいこと楽しいことを提供してますが、やっぱりある程度(の歳)になるとガス欠になる。そのときにこういう形で誉めていただくと、やってきて良かったんだという気持ちになります」
さて、楽太郎は財源案も用意してきたと自信満々。消費税を10%にし、出産費用などの非課税部分を極力減らす。所得税を一律10%に減税、法人税も一律20%。すると、企業活動が活発になり、税収が逆に増えるという皮算用だ。「これはダメだろ!」「74歳以下の格差がものすごく広がります」(評論家・宮崎哲弥)などとスタジオは多少紛糾したが、肝心の太田光総理(爆笑問題)はウォッチャー状態。あまり熱が入らない様子であった。番組には「老人、高齢者に冷たすぎる日本」を変えるための法案が度々登場するが、じつはソーリが熱心に語りたいテーマではないのかもしれない。
今日はついに「太田総理はどのようにご覧になってましたか?」と議長の古市幸子アナに発言を促される始末。この手の議長発言は通常、なかなか喋れない一見(いちげん)素人系出演者に対して、手を差し伸べるものである。「定年退職した人は75歳になるまで生活費も免除されないまま、商品の値段が上がっていく。そこまでたどり着けるのかなと思う。それと、消費税アップなどをやる前に、もっと財源があるんじゃないか」と、ソーリは楽太郎の税制改革案に首をかしげた。
75歳無料制度を心待ちにする木久扇は、「なんかとっても(話が)難しくて、つまんなくなっちゃった」と吐露し、スタジオの苦笑を誘った。またしても小さな国会の硬軟バランスという課題が浮き彫りになった今回だが、法案は14対5の比較的大差で可決された。
ボンド柳生
*太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中(日本テレビ系)