<テレビウォッチ>漢字が読めない首相の話題も相乗効果があったのか、受験者がウナギ昇りという漢字検定。この検定を主宰する財団法人『日本漢字能力検定協会』が儲け過ぎでヤリ玉にあがっている。
公益法人の場合、公益活動にかかわる収益への課税は免除され、固定資産も非課税になっている。この税の免除の条件として、収入が適正な費用を償う額を超えてはいけないこと、関係者に特別な利益を与えてはならないなどの規定があるそうだ。
もうけ過ぎ批判の根拠は、同協会が過去5年間で20億円の利益を上げていたこと。このため監督官庁の文科省から3度にわたり指導を受けていた(検定料の一部は引き下げている)。
しかも、同協会の大久保昇理事長が代表を務める広告会社に、3年間にわたって8億円の業務委託料を支払っており、この事実を文科省に報告していなかった事実も発覚した。
漢字ブームに乗って同協会の検定試験を受験した人は、2000年は約158万人だったのが、07年には272万人と倍近い数に増えている。
検定料は、1級5000円、準1級4500円、2級4000円、準2級~7級2000円、8~10級1500円。これに対し経費は一律2100円で、2級以上の受験者が増えるほど儲けが出る仕組み。
で、地上3階建ての白亜の豪邸から出てきた大久保理事長は、番組スタッフの直撃を受け「私は公明正大にやっていますから……」と開き直ったが……
委託業務費を理事長が代表を務める広告会社が受け取っていたことを突かれると「それは私にはわかりません。1回調べないと……」と逃げの一手。
文科省は「厳正な指導、監督に努める」としているが、スタジオではキャスターの赤江珠緒が「儲かるんですね~」と、まず驚きの一声を。
作家の吉永みち子は「民間にして、儲けた分を税金で払ってもらうなら問題ない」。ただ、どこまで漢字ブームが続くのかどうか。民間に移行したらブームは終わっていたということもあり得る。
ジャーナリストの鳥越俊太郎は「これだけ利益があがっているなら、検定料を下げるのが筋」といったところが妥当では……