<テレビウォッチ>振り込め詐欺の昨2008年の被害総額は276億円。年初は史上最悪のペースだったが、後半の対策強化で、史上2番目に食い止めた。しかし、さっそく新手の手口が現れている。今年は「おれおれ電話」+「空き巣」だという。手口はこうだ。
埼玉・川口市の81歳の1人暮らしの男性。長男から電話で、「株で損しちゃって、今日中に200万円が必要になった」。男性は警戒して「直接渡す」というと、「じゃあ外で飯でも食おう」という。そこででかけていったが、長男は待ち合わせ場所に現れず。1時間後に自宅に戻ってみると、空き巣にやられて、商品券や指輪など6万8000円相当が盗まれていた。
また同じ日、蕨市の1人暮らしの90歳。次男を名乗る男の電話で、「仕事に失敗して200万円が必要になった」。現金を用意して電話すると、「西川口駅の東口で待ち合わせしよう。物騒だから現金は持ってこなくていいよ」。で、やっぱり男は現れず、家に戻ると、用意した200万円など計255万円と貴金属が消えていた。
まだある。川口市の主婦は、長男と名乗る電話で、「友人から100万円借りた。今日返さないといけないので、100万円貸してくれ。直接とりにいくから」と。お金を用意したところで、また電話。「早急に40万円を口座に振り込んでくれないかな。家へいくけど、入れ違いになるといけないから、100万円はポストにいれておいて」。そこで、銀行で40万円振り込んで戻ると、100万円が消えていた。
3つの手口で共通しているのは、振り込め詐欺と同様、最初に「携帯電話の番号が変わった」と、本人との連絡を絶っていた。被害者はその後、その番号に電話していたわけだ。
専門家は、「詐欺グループが窃盗犯に転じた」という。銀行口座の凍結やATM警備の強化で、振り込め型からエクスパックやバイク便などに変わったが、それがさらに新しい手口に移ったわけだ。
元警視庁の田宮榮一は、「昔からある手口。お父さんが事故で病院に入った、というので出かけたあと、空き巣というやつ」という。
しかし、今回の手口では、個人情報の名簿だけでなく、名前、住所、さらにひとり暮らしだとつかんでいるため、相当な準備は行われているらしい。まったく「浜の真砂は尽きるとも」だ。
こんななか、神奈川県警は、1万7000人の職員のほか家族、OBなどの協力で、こうした電話を受けた際、だまされたふりをして、現金の送付先、犯人が自宅に来る時間などを決めてもらい、県警捜査員に通報、待ち伏せ、逮捕--という作戦を実行するという。
加藤浩次が、「なるほど。でも、今いっちゃっていいのかなぁ」
テリー伊藤が、「犯罪を抑止する意図でしょう」「あ、そうか」
いや、一般の人でもこれをやるべし。こちとら、ずっと電話を待ち続けているのだが、金がないのがわかっているんだろうか。それにつけても、日本人のまあ、なんというお人好し、無防備。