仲間由紀恵主演「12.5%」 それでも「期待大」のワケ

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   フジのドラマ「ありふれた奇跡」。山田太一が11年ぶりに連ドラの脚本を担当するという作品だ。

   倉本聰の「風のガーデン」に続く「大物」の脚本だ。仲間由紀恵と加瀬亮が主役級。加瀬は「どこにでもいそう」なイメージで抜擢された。仲間は料理関係のセールスをしている役で、加瀬の役は左官職人だ。仲間の母役が戸田恵子、父は岸部一徳、祖母は八千草薫だ。

   初回は、駅で飛び込み自殺を図ろうとした男(陣内孝則)を仲間と加瀬が気付いて助けるという展開だった。普通の人には分からないような素振りに2人が反応したのだ。塩見三省が演じる警官に陣内が、仲間たちの連絡先をきくが警官は教えることができない。そこでこの警官が私費で3人を引き合わせるシーンもあった。この塩見がなかなかいい演技で、この場面なんかはいかにも山田ドラマという感じで、優れたものだった。

   このドラマは、日常の普通の生活の中にそれぞれの人が「奇跡」をもっている、あとはそれを発見するかしないかだ、というメッセージがありそうだ。地味ではあるのだが、人の心の動き、心のひだを描くという、山田ドラマらしいものだ。最近のアクション重視だったりマンガチックだったりという流れとは一線を画した、今に欠けているものがここにはあるドラマだという気がした。

   こうしたものは見る方も丹念に見ないといけない。背骨がしっかりしたものなので、これから面白くなっていくだろう。初回視聴率は12.5%。「たった」と否定的にとるべき数字ではなく、今でもこれだけの数字が取れるんだ、と評価していい結果だと思う。地味なスタートだったが今後の展開が楽しみだ。応援したい。

      ありふれた 所にドラマが 生まれ来る

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