昨2008年末にあったTBSの「あの戦争は何だったのか~日米開戦と東条英機」。ビートたけしが東条英機を演じて注目を集めた。
ドキュメントとドラマを融合させたつくりだった。太平洋戦争突入について考えるものだった。なかなか手間暇かかった骨太なものだった。志はえらいと思った。ナレーションの松嶋菜々子も意外とよかった。
芝居は、東条英機のビートたけしより、徳富蘇峰を演じた西田敏行が印象に残った。勿論テーマがテーマだから仕方ない部分はあるかもしれないが、あまりに生真面目で難しい、笑いのない男目線のつくりだと感じた。それでも演出は丹念でしっかりしたものだった。
残念だったのは、東条英機の人物像を描き切れていなかったことだ。優柔不断でまとめきれない人、天皇陛下への強い忠誠心をもった人物という側面は出ていた。しかし不十分だったと思う。ある意味勇気がいった企画だったとは思う。それでも戦争責任の結論があいまいだったのは如何なものだろうか。
登場人物には、阿部寛が演じた、戦争突入に懐疑的な軍幹部や高橋克典の新聞記者などが出てきて新味を出そうとしていたと思う。ただ4時間半は長すぎた。見ていて疲れてしまった。コンパクトにまとめるとまた違ったものが見えていたかもしれない。
今回も 戦争責任 また不明